木造住宅のメリットとデメリットとは?鉄骨造や鉄筋コンクリート造(RC造)との違いは?

家づくりを考える時、多くの方が悩むところが「木造住宅にするか、鉄骨造や鉄筋コンクリート造(RC造)にするか」という点です。

住まいの快適さや耐久性はもちろん、デザインの自由度やコストまで、選択によって大きく変わります。

本記事では、木造住宅のメリットとデメリットを徹底解説し、鉄骨造や鉄筋コンクリート造(RC造)との違いを比較することで、あなたの理想の住まいを探りましょう。

木造住宅のメリット3つ

建築コストが低い

木造住宅のメリットは建築コストの低さです。

国税庁の「地域別・構造別の工事費用表(1m2当たり)【令和6年分用】」によると、地域や材料による差異はありますが、全国平均で見た場合、木造住宅の工事費用は1平方メートルあたり約207千円です。

これに対して、鉄骨鉄筋コンクリート造は318千円、鉄筋コンクリート造は304千円、鉄骨造は294千円となっており、木造住宅のほうが工事費が抑えられていることがわかります。

さらに、木造住宅は軽量で基礎工事や土地改良の費用が抑えられる点も建築コストを低くする要因です。こうしたコスト面での優位性が、木造住宅が多くの人に選ばれる理由の一つとなっています。

参照元:地域別・構造別の工事費用表(1m2当たり)【令和6年分用】:国税庁

調湿効果がある

木材は天然の調湿機能を持っており、室内の湿度を一定に保つ効果があります。

湿度が高い時には水分を吸収し、逆に乾燥している時には水分を放出するため、室内の空気を快適に保つことができます。

この特性は高温多湿な日本の気候に特に適しており、結露やカビの発生を抑える効果も期待できます。木造住宅に住むことで、季節を問わず快適な室内環境を維持できます。

柔軟なデザインと間取りの自由度

木造住宅は、他の建築工法に比べてデザインや間取りの自由度が高いことが特徴です。

柱と梁を基本とした構造は、壁の配置や間取りを自由に設計できるため、住む人のライフスタイルやニーズに合わせた空間作りが可能です。

例えば、天井を高くして開放感を演出したり、大きな窓を設置して自然光を取り入れたりすることもできます。

また、将来的に部屋を増やしたり、間取りを変更したりするリフォームも比較的簡単に行えます。この柔軟性は、家族構成の変化やライフスタイルの進化に対応できるという大きなメリットとなります。

さらに、木材の温かみのある質感や自然な風合いを活かして、心地よい住環境を作り出すことができます。木造住宅は、自分の好みや暮らし方に寄り添った、オリジナリティあふれる住まいを実現するための選択肢です。

木造住宅のデメリット3つ

法定耐用年数が短い

木造住宅の法定耐用年数は22年とされています。鉄筋コンクリート造(RC造)の47年や鉄骨造の19~34年と比べると短く、資産価値の維持や耐久性の面でデメリットとなります。

しかし、適切なメンテナンスを行えば、実際の耐用年数を延ばすことは可能です。定期的な点検と修繕を続けることで、木造住宅の寿命を延ばすことができます。

実際には、法定耐用年数を超えて快適に住み続けられるケースも多くあります。

まずは、定期的な点検と修繕を行うことで、木造住宅でも長く快適な生活ができる環境を作りましょう。

シロアリなど害虫発生の可能性がある

木造住宅は、木材を使用するためシロアリなどの害虫被害を受けやすい点がデメリットです。

特に湿気が多い地域では、シロアリが木材を食い荒らし、住宅の耐久性を損なうリスクがあります。

このリスクを避けるためには、ベタ基礎を採用したり、定期的な防蟻処理を行うなどの対策が必要です。

これらの対策を怠ると、シロアリ被害が深刻化し、修繕費がかさむ可能性があります。

仕上がりの品質がバラつきやすい

木造住宅は、職人の技量や木材の品質によって、仕上がりにバラつきが生じやすい特徴があります。

木材は自然素材であるため、一つ一つの特性が異なり、加工や施工には熟練の技術が求められます。

そのため、依頼するハウスメーカーや工務店の選択が非常に重要です。信頼できる業者を選び、現場の品質管理を徹底することで、リスクを最小限に抑えることができます。

木造住宅の工法

在来工法

在来工法は、日本の伝統的な木造建築法で、「木造軸組工法」とも呼ばれます。

在来工法では、柱と梁を組み合わせた骨組みが建物を支え、壁の配置や間取りの自由度が高いのが特徴です。

大きな開口部や吹き抜けのデザインにも対応できるため、自由な設計が可能です。また、リフォームや増改築がしやすい特徴があります。

ただし、工事には熟練の技術が必要であり、職人の腕によって仕上がりの品質に差が出ることがあるため、信頼できる施工業者の選定が重要です。

ツーバイフォー(2×4)工法

ツーバイフォー工法は、北米で19世紀に生まれた建築工法で、日本では「枠組壁工法」として知られています。

この工法は、建物の構造を支える木材の断面サイズ「2インチ×4インチ(38mm×89mm)」に由来していますが、実際には2×4材に加えて、2×6材や2×8材など、用途に応じたさまざまなサイズの木材が使用されます。

ツーバイフォー工法は、壁や床、天井を「面」で支える構造を持ち、これにより高い耐震性と耐風性を実現しています。

日本でのツーバイフォー工法は、住宅金融支援機構が監修する『枠組壁工法住宅工事仕様書』によって厳格にマニュアル化されており、使用される木材はすべて日本農林規格(JAS)の厳しい品質チェックを受けています。

この工法の特徴は、規格化された材料を使用することで、職人の技量に左右されず、均一な品質を保てる点です。また、ツーバイフォー工法は工期が短く、資材の調達がしやすいことから、コストパフォーマンスの高い住宅を提供することが可能です。

参照元:ツーバイフォー工法(2×4)工法とはどんな構造?メリット・デメリットを詳しく解説

ツーバイシックス(2×6)工法

ツーバイシックス(2×6)工法とは、木造住宅の「枠組壁工法」のひとつです。

2インチ×6インチ(38mm×140mm)サイズの規格角材を軸に、頑強な「六面体構造」で建物を支えます。

枠組壁工法は、3ステップで「六面体構造」を作ります。

①2×6材などの木材を組んで「枠組」をつくる
②「枠組」に構造用面材を接合し、剛性の高い版「ダイヤフラム」を構成する
③「ダイヤフラム」を床、壁、天井に組み、頑強な「六面体構造」を形成する

枠組軸工法は、この六面体構造の部屋を組み立てた木造住宅建築です。

六面体構造が地震などの外力を1点に集中させず、家全体にバランスよく分散させ、建物の変形や崩壊を防ぎます。

枠組軸工法の特徴は、建築基準法の「仕様規定」などで厳しく精緻な基準が設定されているため、均一で高品質な耐震性能を実現できることです。

参照元:ツーバイシックス(2×6)とは?メリット・デメリットやツーバイフォーとの違いなど

鉄筋コンクリート造(RC造)と鉄骨造の違い

木造住宅、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨造には、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。

建物の耐久性を評価する基準の一つに「法定耐用年数」があります。法定耐用年数は税法上で定められた資産の使用可能期間を示すものであり、建物の耐久性を測る目安となります。

ここでは、法定耐用年数を基準に、鉄筋コンクリート造(RC造)と鉄骨造の違いについて詳しく解説します。

構造用途耐用年数
木造住宅用22年
鉄骨鉄筋コンクリート造住宅用47年
鉄骨造(3㎜以下)住宅用19年
鉄骨造(3㎜超え、4㎜以下)住宅用27年
鉄骨造(4㎜超え)住宅用34年

参照元:耐用年数(建物/建物附属設備) – 確定申告書作成コーナー

鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋コンクリート造(RC造)は、鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造で、高い耐久性と耐震性を持っています。

法定耐用年数は47年と木造や鉄骨造と比べて長く、資産価値を維持しやすいため、アパートやマンションなどで広く採用されています。

また、断熱性や遮音性も良い傾向があります。ただし、建築コストが高くなることやコンクリートの劣化を防ぐために定期的な点検や補修が必要です。

鉄骨造

鉄骨造は、鉄を主な構造材として使用する建築法で、法定耐用年数は19年から34年とされています。

耐用年数は、使用される鋼材の厚さによって異なり、「3㎜以下のものは19年」、「3㎜を超え、4㎜以下のものは27年」、「4㎜を超えるものは34年」と定められています。

鉄骨造は、構造材が軽く強度が高いため、大きな空間を設計するのに適していますが、湿気に弱く、錆びやすいという欠点があります。

定期的な防錆対策やメンテナンスが必要ですが、適切な管理を行うことで、長期間にわたり安定した強度を維持できます。

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まとめ

木造住宅には、コストを抑えられる点やデザインの自由度が高いといったメリットがあります。一方で、法定耐用年数の短さやシロアリなどの害虫被害、仕上がりが職人の技量に左右されやすいといったデメリットも考慮しなければなりません。

これらの特性を理解し、適切なメンテナンスや対策を講じることで、木造住宅でも快適で長持ちする住まいを実現できます。

また、鉄骨造や鉄筋コンクリート造(RC造)との違いを理解し、自分のライフスタイルや将来計画に合った住宅を選ぶことが重要です。

木造住宅の各工法のメリットとデメリットをしっかりと見極め、理想の住まいを手に入れましょう。