自営業者(個人事業主)の住宅ローン審査を通すためのポイントとは?

自営業者やフリーランスの方が住宅購入を検討する際、住宅ローンの審査が難しいと言われることがあります。
本記事では、自営業者の住宅ローン審査が通りにくい理由や審査を通すためのポイントを解説します。
住宅購入を検討されている方は、ぜひご一読ください。

自営業者(個人事業主)の住宅ローン審査が通りずらい理由

金融機関は、住宅ローンの支払いが滞るリスクをできるだけ低く抑えたいため、収入が安定しているとされる公務員や会社員は、審査に通りやすい傾向があります。
一方で、自営業者は収入の安定性が公務員や会社員と比べて低いとみなされることが多く、金融機関が融資に慎重になる場合があります。その結果、自営業者は審査基準において厳しい評価を受けることが一般的です。特に、以下のような理由がその要因となります。

・収入の変動が大きい
自営業者は、売上や利益が景気や自身の健康状態に影響を受けやすいため、収入に大きな変動が生じることがあります。
その結果、収入が安定していないと判断され、返済能力に対する懸念を持たれる場合があります。

・所得が低い
自営業者は節税のために経費を多く計上することで、確定申告上の所得が低くなることがあります。
税制上のメリットはありますが、住宅ローンの審査では不利になる可能性があります。

理由は、所得が少ないと返済能力がないと判断され、金融機関から提示される借入可能額が少なくなります。
例えば、実際の年収が500万円であっても、確定申告上の課税所得が200万円では、審査で評価される収入は後者の金額となります。
このように所得が実態より低い場合、希望する住宅ローンの借入が難しくなります。

住宅ローンの審査ポイント

継続して安定的な所得があるか

住宅ローン審査では、申込者が継続的かつ安定した収入を得ているかが重要視されます。
金融機関は、主に直近3期分の確定申告書を基に収入の推移を確認し、安定性を評価します。特に、3年間すべて黒字であることが望ましいとされます。

自営業者の場合、経費を多く計上することで所得が低く見積もられる場合があるため、審査を意識して所得を適正に申告することが必要です。
また、所得の変動が大きいと金融機関はリスクを感じるため、一定以上の安定した収益を示すことが大切です。
審査を通過するためには、収入の安定性を強調する資料を用意し、事業の健全性をアピールすることが有効です。

自己資金(頭金)の確保

自己資金、いわゆる頭金は住宅ローン審査において重要なポイントの一つです。
一般的に、住宅購入価格の10%~20%程度の頭金を用意することが望ましいとされています。

頭金が多いほど金融機関からの信頼を得やすく、借入金額が減少するため、毎月の返済負担が軽減されるメリットもあります。
また、頭金の多さは、申込者が計画的な資金管理能力を持つことの証明となり、審査の際に有利に働きます。ただし、全資金を頭金に充ててしまうと、急な出費に対応できなくなる可能性があるため、最低限の生活費を確保しながら準備することが重要です。頭金を多めに用意することで、希望条件の住宅ローンを実現しやすくなるでしょう。

信用情報の問題

信用情報は、住宅ローン審査において返済能力を評価する重要な指標です。
金融機関は、申込者の信用情報を確認することで、クレジットカードやローンの支払い履歴、過去の延滞記録、借入状況などをチェックします。

特に、延滞や滞納がある場合は信用度が低下し、審査通過が難しくなることがあります。自営業者は特に税金や保険料の支払いを自己管理する必要があるため、これらの未納が審査に影響を与えるケースも多いです。
個人信用情報は開示請求できるため、事前に開示を申し込んで確認することも可能です。

健康状態に問題

住宅ローン審査では、健康状態も審査基準に含まれます。多くの場合、団体信用生命保険(団信)への加入が必要とされるため、加入条件を満たす必要があります。
持病や既往症がある場合、加入を断られる可能性があるため、ローン審査が難しくなることもあります。

健康状態に不安がある場合は、保険の条件緩和型の商品を検討するか、健康状態が改善したタイミングで申請を行うことが適切です。

自営業者(個人事業主)が住宅ローンを申し込む際の必要書類

自営業者が住宅ローンを申し込む際に一般的に必要となる書類を一覧表でまとめたものです。
書類内容は金融機関や状況により異なるため、詳細は事前に確認しましょう。

種類必要書類
本人確認書類健康保険証、運転免許証、パスポート、個人番号カード、住民票写しなど
収入証明書類確定申告書(直近3年分)、所得税の納税証明書(直近3年分)
返済中の借入がある場合返済予定表、返済口座の通帳
物件関連書類不動産売買契約書、重要事項説明書など
その他金融機関が指定する書類

自営業者(個人事業主)の住宅ローン控除

住宅ローン控除は、所得税や住民税の負担を軽減できる制度で、自営業者も条件を満たせば利用可能です。
以下に主な条件を記載します。

住宅ローン減税制度の適用条件

1.対象住宅の要件
・新築住宅、中古住宅(個人間売買を除く)、増改築、省エネ・バリアフリー改修などが対象。
・工事費が100万円以上の場合、一定の条件を満たせば控除対象となる。

2.住宅の床面積
・住宅の床面積が40㎡以上。
・床面積が40㎡以上50㎡未満の場合、合計所得金額が1,000万円以下の年にのみ適用可能。

3.返済期間
・住宅ローンの返済期間が10年以上であること。

4.控除期間と控除額
・毎年末の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除。
・所得税で控除しきれない分は住民税からも一部控除可能。
・消費税10%適用の新築住宅の場合、特定の条件を満たせば控除期間が13年間に延長される。

5.入居期間
・消費税10%適用の住宅で、特定の契約期間内に契約し、指定された期間内に入居すること。

6.増改築・リフォームの場合
・耐震改修、省エネ改修、バリアフリー改修など一定の工事が対象。
・増改築に関しては建築基準法で規定される大規模修繕や模様替えが該当。

詳細の内容は、参照資料をご確認いただけますと幸いです。

参照元:すまい給付金 | 国土交通省

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まとめ

自営業者が住宅ローン審査を通過するためには、事前の準備と計画が重要です。
安定した所得を証明するために適正な確定申告を行い、頭金を準備し信用情報を整えることで、審査通過の可能性を高められます。

また、住宅ローン控除を活用すれば、購入後の負担軽減も可能です。これらのポイントを押さえながら、信頼できるハウスメーカーを選ぶことも大切です。
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