衝動で家を買おうとしている人は注意!リスクを理解してきちんと購入しよう

たまたま内覧や住宅展示場で目にした家を気に入ってしまい、勢いまかせで衝動的に契約書へサインする例があると聞きます。

良心的な業者ならば、衝動買いをしようとする方に対して「いったん家に持ち帰って家族とよく検討してみたほうがいいですよ」と伝えるかもしれませんが、逆に、中には衝動買いしようとする方の背中を押すような業者もあるようです。

家の衝動買いを100%否定するわけではありませんが、一生に1度か2度しかない大きな買い物である以上、家族を含めて十分に検討するよう当サイトではおすすめしています。

【結論】勢いや直感にまかせた衝動買いには問題あり

結論からいうと、家の衝動買いは、あまりおすすめできません。
ここでいう衝動買いとは、十分なリサーチや検討なくして、その場の勢いや直感だけで契約書にサインをしてしまうこと。

逆に、十分なリサーチや検討を重ねている方が、たまたま住宅展示場で希望にマッチした家とめぐり合ったため即決したという例は、衝動買いに含まれません。

家の衝動買いをおすすめしない理由は、衝動買いの中に様々なリスクが潜んでいるからです。以下、家の衝動買いに潜んでいる主なリスクを説明しましょう。

家の衝動買いに潜んでいる主なリスク

家の購入にはある程度の勢いは必要ですが、家の騒動買いには次のようなリスクも潜んでいることを十分に理解しておきましょう。

割高な物件を買ってしまうリスク

衝動買いをした家が必ずしも割高とは限りませんが、少なくとも買う前に同程度の物件の相場をリサーチしておく必要はあるでしょう。場合によっては、より金額に納得できる物件が見つかるかもしれません。

また、衝動買いである以上は、業者との価格交渉という大事なプロセスを失うことになります。価格交渉すれば必ず値引きしてくれるというわけではありませんが、中には決算の関係で値引きに応じてくれる業者もあるので、価格交渉してみる価値はあるでしょう。

家族構成が変化して家が狭くなるリスク

家を衝動買いした後、子供が生まれたり高齢の親が同居したりなどし、せっかく買った家が手狭になるリスクもあります。

衝動買いには「後先考えず気に入ったものを勢いで買ってしまう」という側面がありますが、家は家族全員の快適な生活の土台となるものなので、勢いで買うのではなく、冷静に家族の将来像をイメージして過不足のない広さや間取りの家を検討する必要があるでしょう。

価値観が変わって間取りやデザインに不満が出てくるリスク

衝動買いの背景には、多くの場合「直感的に気に入った」という要素がありますが、その時点で直感的に気に入ったとしても、将来的には不満に変わっていく可能性があります。

特に間取りやデザインは簡単に変更できるものではないので、直感ではなく、長い目で見て判断することが大切です。

住宅ローンの返済で生活が困窮するリスク

予算オーバーであることを承知の上で、どうしても衝動を抑えきれずに家を買ってしまうと、将来的に住宅ローンの返済で生活困窮に至る恐れがあります。

住宅ローンを契約する際には、現在の年収や将来起こりうるリスク(リストラ、倒産、病気など)も十分に考慮し、無理のない範囲で借り入れることが大切です。

衝動買いした後に転勤が決まるリスク

家を衝動買いしたものの、ほどなく転勤が決まってしまうリスクもあります。

転勤族の方が家を買う場合には、購入後に転勤になったことを想定し、事前に対応策を家族全員で話し合って意見を一致させておくことが大事。「売却する」「人に貸す」「単身赴任する」などです。

家を衝動買いしてから転勤が決まると、事の急展開を前に家族の意見が一致せず、もめてしまうことになるかもしれません。

家を購入する前に検討しておきたい基本的なポイント

家を購入する際には、勢いにまかせた衝動買いではなく、事前にポイントを絞って十分な検討を重ねることが大切です。以下でご紹介する基本的な4点を検討すれば、必然的により細かい検討項目が見つかっていくことでしょう。

本当に持ち家が必要か?賃貸ではダメなのか?

家を買う際の大前提となりますが、本当に持ち家が必要なのかどうか、よく考えてみましょう。世帯のライフスタイルやライフステージの変化の可能性を考慮すれば、持ち家よりも賃貸住宅のほうが適している場合もあるからです。

例えば、一生涯同じ家に住むよりも、たまに趣向の違った家に住んでみたいという世帯には、フットワークの軽い賃貸住宅のほうが適しているでしょう。

また、住宅ローンに縛られた生活ではなく、その時々で身の丈に合った無理のない生活をしたいという世帯にも、賃貸住宅が適しているかもしれません。

持ち家と賃貸住宅のメリット・デメリットを比較し、柔軟な姿勢で検討してみることが大事です。

物件種別ごとのポイントを比較検討する

持ち家には、大きく分けて「注文住宅」「土地付注文住宅」「建売住宅」「マンション」の4種類があります。また、一戸建てとマンションともに「新築」「中古」という区分もあります。

家を購入する際には、各物件種別や新築・中古のポイントをよく比較検討することが大事。例えば、家族のライフスタイルを自由に反映させたいならば「土地付注文住宅(新築)」が最適でしょう。

あるいは、移動や買い物などの利便性を重視したいならば、駅近で立地の良い「マンション」が有力な候補になるでしょう。価格重視ならば「建売住宅」が、すでに土地をお持ちならば「注文住宅」が第一選択肢となるでしょう。

家族が重視するポイント、および収入・貯蓄などの現状にあわせ、適切な物件種別を選ぶことが大切です。

家を建てる立地をよく考える

家を建てる予定の土地をお持ちでない限り、立地をよく検討して家づくりを計画していきましょう。例えば、次のような基準に沿って土地を探します。

  • 駅など主要施設へのアクセス
  • 日用品を買う店(スーパー、コンビニ、ドラッグストアなど)へのアクセス
  • 周辺の治安
  • 騒音状況(幹線道路や線路が近くないか、など)
  • 子育て環境の充実度(自治体の支援、公園、自然環境など)
  • 近隣の医療機関の状況(特に小児科や歯科など)
  • 日当たり
  • 方角
  • 坂道の有無
  • 土地からの景色の良さ、など

立地は家族の快適な生活を大きく左右します。工務店や不動産会社に相談の上、時間をかけて慎重に土地探しをしましょう。

住宅ローンの返済計画を十分に検討する

住宅ローンの申し込みを行って融資の審査に合格すると、金融機関から融資可能額が提示されます。はじめて住宅ローンの申し込みを行う方は、融資可能額の高さに驚くかもしれません。

ただし、どんなに気持ちの良い融資可能額を提示されたとしても、可能額一杯まで借りることはおすすめできません。なぜならば、融資の額が高ければ高いほど月々の返済額も高くなるため、場合によっては返済で生活が圧迫される可能性もあるからです。

夢のマイホームを手に入れたにもかかわらず、生活費がままならなくなっては、夢の生活が叶いません。住宅ローンを借りる際には、適度な頭金を設定しつつ、生活に無理のない返済が可能な融資を受けるようにしましょう。

【まとめ】慎重になり過ぎるのも問題だが、ある程度のリサーチは必要

家を衝動買いした結果、理想的な生活を手に入れられた世帯も多くありますが、逆に後悔することになった世帯もたくさんあります。

リサーチや検討で慎重になり過ぎることも問題ですが、家は一生の中で最も高い買い物と言われる以上、ある程度のリサーチや検討は行うべきでしょう。

少しでも後悔のない家づくりができるよう応援します。