注文住宅で実現するバリアフリーな家づくり!後悔しないためのポイントを解説

バリアフリー住宅は、高齢者や障がいを持つ方だけでなく、小さなお子さんがいる家庭や老後の日常生活を考えるすべての人に優しい住宅です。
バリアフリー住宅には、段差のない設計や手すりの設置だけでなく、温度管理や生活動線の工夫も含まれます。

後悔しがちなポイントとして、廊下の幅を十分に取らなかった、手すりの設置を考えなかったなどが挙げられます。
後悔しないためにも、バリアフリー住宅の設備や間取りの具体例、注意点などを見ていきましょう。

バリアフリー住宅における設備や間取りの具体例

玄関・アプローチ

玄関周りには可能な限り段差を作らないのが理想です。
どうしても段差が必要な場合は手すりや簡易スロープを導入する方法があります。

スロープをつける場合は傾斜が急になりすぎないように注意しましょう。
傾斜は1/12程度(約4.76°)が理想的です。
車いす利用者が自力で上がれるぎりぎりの傾斜であり、高齢者や障害のある方が杖や歩行器を使用して歩く際に安定して利用できる傾斜だからです。

廊下

車いすに乗る方が通れるよう、壁や手すりを除いた幅が90cm以上を確保できるのが望ましいです。
介助者も並んで歩く場合は120cmがおすすめですが、狭い土地では難しいかもしれません。

その際は、廊下を短くしてリビングから各部屋へ直にアクセスできるレイアウトも視野に入れましょう。
部屋から部屋への移動距離が短くなり、車いすの方が移動にかける労力を減らせます。
段差やドアのしきいなどのバリアを減らしやすくなるのもメリットです。

トイレ・浴室などの水回り

まずはトイレを広くしましょう。
車いすのまま入るだけでなく、介護者と一緒に入るケースも想定すると、それなりの面積が必要となります。
車いすの方がトイレ内で方向転換できるようにするために、スペースを確保しましょう。
車いすから便座へ移乗するのにも、スペースが無いと厳しいです。

一般家庭の一戸建てのトイレは約0.5坪(幅80cm×奥行き160cm)ですが、バリアフリー対応のトイレは0.75坪(幅120cm以上×奥行き160cm)以上が望ましいです。
介助スペースを設けるとなると、約0.8~1.0坪(幅160~180cm × 奥行き160~180cm)は確保しましょう。
また、出入り口を引き戸や折れ戸にすれば床の段差をなくせます。
浴室は床を滑りにくい素材にし、手すりを複数設置することで、転倒のリスクや介助時の負担を減らせるでしょう。

キッチンの設計

将来的に立ち作業が難しくなったり、歩行が困難になったりするのに備えて、シンク下や調理台下をオープンにできる造りにしておくのがおすすめです。
スペースがあるため、イスや車いすを使う場合でも、作業がしやすくなります。
また、IHクッキングヒーターにすれば、火を使わずに調理できるため、安全性が向上します。

バリアフリー住宅とは

バリアフリーとは障壁(バリア)となるものを除去(フリー)するという意味です。
バリアフリー住宅とは、人が生活するうえで障壁となるものを解消したり、サポートしたりする設計がされた住まいのことです。
特徴として、段差が解消されていることや手すりが設置されていることが挙げられます。

例えば、高齢になって歩行が難しくなると、敷居のようなちょっとした段差でも躓いてしまうことがあります。
また、用を足す際のかがむ動作で体を支え切れずに転倒してしまうケースもあるでしょう。
ただし、そうした配慮がされた家は、高齢者や障がい者だけでなく、すべての世代にとってメリットがある住宅と言えるでしょう。
バリアフリー住宅は、住む人に優しく、暮らしやすさを追求した住宅なのです。

バリアフリー住宅が注目されている理由

バリアフリー住宅が注目されているのは、高齢者の増加だけでなく、親世代との同居や介護リフォームのニーズも高まりなども理由です。
内閣府の発表(令和3年)では、世帯の約50%に65歳以上の方が居ることがわかり、今後もその数は増えていくと見込まれています。
また、バリアフリーな家は、高齢者の方だけでなく、子どもがいる家庭にもメリットがあります。
例えば、小さいお子さんは段差で転倒しやすいですし、ベビーカーを押す方にとってもスロープや広い廊下は移動しやすくなります。
こうしたメリットから、バリアフリー住宅は今後ますます重要視されていくでしょう。

参照元:3 家族と世帯|令和5年版高齢社会白書(全体版) – 内閣府

バリアフリー住宅にする利点

家族全員が移動しやすくなる

段差をなくしたり、手すりを設けたりすることで、お子さんからお年寄りまで家の中を移動しやすくなります。
転倒のリスクを減らせるのはもちろん、手すりがあることで「自分の足で歩こう」とチャレンジしやすいのもメリットです。

介護のしやすさ

要介護の方がいる家庭は、移乗や入浴時に段差があると大きな負担になります。
移動時に引っかかって転倒しかねないのはもちろん、段差を跨ぐのにもひと手間かかるでしょう。
しかし、バリアフリー化すれば介護がしやすく、段差にぶつかることが無いため、介護される側にも優しい環境が整います。

子どもの転倒リスクを減らせる

まだ足元のおぼつかない子どもは、段差や床材が安全性に影響します。
段差は子どもがつまづく原因のひとつ。

そのため、段差の少ない家は転倒のリスクを減らせるでしょう。
バリアフリー設計では滑りにくい床材が使われることも多く、転倒事故を防ぎやすくなっています。
バリアフリー住宅にしておけば、子どもが転ぶ心配を減らすことができます。

将来的な費用を抑えられる

新築時に、部屋同士の段差を無くすことや階段に手すりを付けたりなどのバリアフリーを取り入れておけば、後からリフォーム工事を大掛かりに行わなくても済む場合があります。

段差を解消してスロープを取り付けるなら、小さな段差(2~4cm程度)が1カ所あたり約1万円前後。大きな段差(5~20cm程度)は約20万円からが相場です。
手すりの設置は設置場所や手すりの長さ、素材によって変わりますが、1カ所あたり約2万円からが一般的です。
将来的な費用を抑えるためにも、新築の際にバリアフリーを導入しておくことをおすすめします。

バリアフリー住宅の注意点

コストアップの可能性

バリアフリーの注文住宅を建てる際、一般的には建築費全体の3~10%程度コストアップすることが多いとされています。
具体的には200万~500万円程度の上乗せがよくあるケースです。
コストアップの内訳は、以下のような要素です。

  • 玄関や室内の段差解消(スロープや段差なし設計)
  • 廊下や出入り口の幅の拡張(車いす対応)
  • 手すりの設置や壁の補強
  • 将来的な介助スペース確保のための間取り変更
  • 収納や開き戸→引き戸への変更 など

ハウスメーカーや設計者とよく相談し、どの程度のバリアフリー仕様を求めるのか事前に確認しながら予算を調整していくと良いでしょう。

温度差への配慮

バリアフリー住宅では、室内の温度差を減らすことも考えなくてはいけません。
例えば、入浴時のヒートショックを防ぐ断熱性能や全館空調システムの導入などがあります。
間取りや段差解消だけでなく家の性能面も合わせて設計しましょう。

将来のことを見据えた設計

バリアフリー住宅を建てる際は、今すぐ介護が必要な方だけでなく、「いつか要介護になるかもしれない」という視点が大切です。
自身や親の老後に起こりうることを考えてみると、必要な設備や間取りをイメージしやすいかもしれません。
車いす利用者は、ドアの開閉やトイレ・浴室への移動には人の手を借りる必要があります。
段差を超える際には、介助者と息を合わせることもあるでしょう。

そのため、将来困らないように、車いすや介助が必要な場合を考慮して開口部を広めに設計する、トイレ・浴室への移動がスムーズになるよう手すりの下地を仕込んでおくなどの対策を取りましょう。
設計者と相談して将来を見据えた設計にしておくのがおすすめです。

バリアフリー住宅の相談はロゴスホーム


バリアフリー住宅は「高齢者向けだけ」でなく、家族みんなにとって優しい住宅です。
体が不自由になる可能性がなくても、バリアフリーに対応した住宅は、結果的に誰にとっても暮らしやすい住まいになるでしょう。
ロゴスホームでは、目先の利便性のみならず、ライフステージの変化も見据えた住宅設計をいたします。遠慮なくご相談ください。

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まとめ

バリアフリー住宅は、すべての世代にとって暮らしやすい住まいです。
玄関や廊下の広さ、手すりの配置、水回りの工夫など、具体的な設備や設計を考えることで、安全で快適な住空間をつくることができます。

また、高齢化社会を迎える日本において、将来的なリフォームの負担を和らげるためにも、新築時からバリアフリーの視点を取り入れておくのがおすすめです。
家族全員が長く快適に暮らせる住まいを実現するために、バリアフリー住宅を検討してみてはいかがでしょうか。