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【2022年(令和4年)版】省エネ住宅の補助金まとめ
SDGsなど環境意識の高まりを受けて注目される省エネ住宅ですが、コスト面が気になる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、政府などが実施する様々な補助金や減税制度を解説します。
ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)支援事業
消費エネルギー量実質ゼロを目指す、ZEH住宅の新築・購入を対象に補助金が交付される制度です。下記の補助金額に加え、導入する省エネ設備によっては追加補助金も設定されています。
- ZEH(寒冷地などのNearly ZEH、ZEH Oriented含む)…55万円
- ZEH+(寒冷地などのNearly ZEH+含む)…100万円
- ZEH+(寒冷地などのNearly ZEH+含む)かつ、HEMS(※)を導入…112万円
※HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・サービス)…消費エネルギーを可視化・最適化する管理システム。
2022年10月現在、下記の公募が受付中または予定されています。
- ZEH支援事業 四次公募(2022年11月21日~2023年1月6日)
- 次世代ZEH+(注文住宅)実証事業 二次公募(~2022年11月18日)
- 次世代HEMS実証事業 二次公募(~2022年11月18日)
こどもみらい住宅支援事業
18歳未満の子を持つ子育て世帯、またはどちらかが39歳以下の者夫婦世帯の省エネ住宅取得を支援する制度です。
床面積50㎡以上で、土砂災害特別警戒区域外に立地する住宅が対象。大きく以下の3つに分かれて補助金額が設定されています。
- ZEH住宅(ZEHの他、Nearly ZEH、ZEH Oriented、2022年10月1日以降認定の長期優良住宅、低炭素住宅、性能向上計画認定住宅)…100万円
- 高い省エネ性能等を有する住宅(2022年9月30日以前認定の長期優良住宅、低炭素住宅、性能向上計画認定住宅)…80万円
- 一定の省エネ性能を有する住宅(断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4)… 60万円
なお、交付申請期間は2023年3月31日までで、着工後の予約申請も可能です。
地域型住宅グリーン化事業
地域型住宅グリーン化事業では、地域材を積極的に使用した木造の省エネ住宅を中小住宅生産者等で新築・購入すると補助があります。
補助金額は対象経費の1/10以内となっており、省エネ住宅の種類によって上限が異なります。
- 長寿型(長期優良住宅 ※ZEH水準)…140万円
- 長寿型(長期優良住宅)…110万円
- ゼロ・エネルギー住宅型(ZEH ※Nearly ZEH含む)…140万円 ※長期優良住宅の認定で+10万円
- ゼロ・エネルギー住宅型(ZEH Oriented)…90万円
- 高度省エネ型(低炭素住宅)…90万円
更に、三世代同居やバリアフリーなどの加算要件を満たすと、上限40万円で追加補助金の交付申請が可能。最終の申請期限は2023年1月31日です。
LCCM住宅整備推進事業
住宅の脱炭素化を目的として、LCCM住宅の設計・建設費用を一部補助する制度。
以下の要件を満たすLCCM住宅に対して、設計費および補助対象工事のかかり増し費用の1/2(上限140万円)の補助金額が交付されます。
- ZEH要件を満たす
- 一次エネルギー消費量を基準値から25%以上削減
- 建設から解体までの二酸化炭素排出量がゼロ以下
2022年10月現在、第2回交付申請(~2022年10月31日)の受付中で、11月中旬から第3回を実施予定です。
リフォームの補助金
省エネ化のリフォームでも補助金の申請が可能です。
簡単にご紹介していきます。
こどもみらい住宅支援事業
新築の補助金でもご紹介したこの制度はリフォームにも適用可能。
補助対象は全世帯で、登録施工業者との工事請負契約等の締結が必須となります。
既存住宅における断熱リフォーム支援事業
断熱材や窓など高性能建材を使用するリフォーム費の1/3(最大120万円)を補助。
持ち家だけでなく賃貸も対象です。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
住宅性能を向上させるリフォームを推進する制度。
高断熱浴槽への交換なども対象となり、工事費等の1/3(最大250万円)が補助されます。
次世代省エネ建材の実証支援事業
工期を短縮する高性能断熱材や、蓄熱・調温建材など次世代省エネ建材を使用したリフォーム費の1/2(最大400万円)を補助。
住宅エコリフォーム推進事業
ZEHレベルの省エネ化リフォーム推進を目的に、省エネ診断や設計費用の1/3などが補助され、上限は戸建てで51.2万円です。
この他、自治体独自の補助金制度などもあるため、しっかり調べて活用しましょう。
※参照
一般社団法人環境共創イニシアチブ「【環境省戸建ZEH】令和4年度 環境省によるZEH補助金」
国土交通省「こどもみらい住宅支援事業【公式】」
地域型住宅グリーン化事業評価事務局「地域型住宅グリーン化事業(評価)」
LCCM住宅整備推進事業実施支援室「LCCM住宅整備推進事業 概要」
住宅金融支援機構「フラット35」公式サイト「【フラット35】S」
公益財団法人北海道環境財団「【全国対象】既存住宅における断熱リフォーム支援事業」
国土交通省「長期優良住宅化リフォーム推進事業総合トップページ」
国土交通省「住宅エコリフォーム推進事業実施支援室【公式】」
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
省エネ住宅の融資・税金の優遇制度
補助金の他、融資や税金優遇の活用もコスト削減のポイントになります。
フラット35S
住宅ローン「フラット35」の金利を一定期間引き下げるプランのことです。
- フラット35S(ZEH)…当初5年間の金利が▲0.5%/、6~10年目まで▲0.25%/年
- フラット35S(金利Aプラン)…当初10年間の金利が▲0.25%/年
- フラット35S(金利Bプラン)…当初5年間の金利が▲0.25%/年
これに加えて、省エネ化リフォームも対象の「フラット35リノベ」も提供されています。
所得税
まず住宅ローン減税については、住宅の種類によって設けられた上限内で借入額の0.7%が所得税から控除されます。
- 長期優良住宅、低炭素住宅…13年間、最大455万円
- ZEH水準の省エネ住宅…13年間、最大409.5万円
- 省エネ基準適合住宅…13年間、最大364万円
- 省エネ化リフォーム…10年間、最大140万円
また、投資型減税として、性能強化の費用相当額の5~10%が所得税から控除されます。
- 長期優良住宅、低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅…費用の10%、最大65万円
- 省エネ化リフォーム…費用の5~10%、最大80万円
固定資産税
一定期間、税額の減額を受けることが可能です。
- 長期優良住宅、低炭素住宅…戸建ては5年間、マンションは7年間、1/2減額
- 長期優良住宅化リフォーム …1年間、2/3減額
- その他の省エネ化リフォーム…1年間、1/3減額
不動産取得税
長期優良住宅の場合、控除額が1,200万円から100万円増額され1,300万円となります。
登録免許税
住宅購入時の登記で納める登録免許税の税率軽減があり、長期優良住宅・低炭素住宅は保存登記の税率が0.4%→0.1%、移転登記の税率が2.0%→0.1~0.2%に優遇されます。
買取再販住宅(業者が買取・リフォームし再販する住宅)については移転登記の税率2.0%→0.1%の優遇を受けることが可能となっています。
贈与税
親などから住宅購入の資金援助を受けた際にかかる贈与税について、省エネ住宅の場合は非課税枠に500万円が追加されます。
※参照
国土交通省「住宅ローン減税」
国土交通省「新築住宅に係る税額の減額措置」
国土交通省「不動産取得税に係る特例措置」
法務局「令和4年4月1日以降の登録免許税に関するお知らせ」
国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
省エネ住宅の種類
一口に省エネ住宅と言ってもその種類は様々。
断熱材や窓ガラスといった住宅のエネルギー効率を高める省エネ建材の使用から自然の力の活用まで、切り口は多種多様です。
ここでは、それぞれの特徴や認定基準を解説します。
ZEH住宅
ZEH(ゼッチ)とは「ネット・ゼロ・エネルギーハウス」の略で、年間の消費エネルギー量実質ゼロ以下を目指す住宅のこと。
高断熱性や省エネに加え、太陽光など再生可能エネルギーによる創エネもできる住宅を指し、次の4つの条件が求められます。
- 強化外皮基準(=断熱性能の基準)に適合
- 一次エネルギー消費量を基準値の20%以下に削減
- 再生可能エネルギーの導入
- 上記により一次エネルギー消費量を100%削減
長期優良住宅
長期優良住宅は、文字通り長期にわたって良い状態で住み続けられる構造や設備を導入した住宅です。
認定要件は以下の5つで、現在、全国で累計135万戸以上の新築住宅が認定を受けています。(2022年3月末時点)
- 長期間良好な状態で居住できる構造や設備
- 十分な住戸面積の確保
- 周辺環境への配慮
- 適切な維持保全計画の策定
- 自然災害リスクへの考慮
※参照元:
長期優良住宅建築等計画の認定実績(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000006.html
https://www.mlit.go.jp/common/001352410.pdf
低炭素住宅
低炭素住宅とは二酸化炭素の排出抑制の工夫がなされた住宅で、認定基準は以下の3つです。
- 基準以上の省エネ性能を備え、低炭素化対策を講じている
- 都市の低炭素化に関する基本方針に沿っている
- 適切な資金計画である
上記の1は「定量的評価項目」と「選択的項目」に分かれ、定量的評価項目では2022年10月の改正でZEHと同水準の省エネ性能が求められるようになりました。
選択的項目は、節水対策、エネルギーマネージメントなど9項目のうち1つ以上適合すればクリアとなります。
LCCM住宅
LCCMとはライフ・サイクル・カーボン・マイナスの略で、建設から解体までの長期スパンで二酸化炭素の排出量がマイナスになるよう設計されます。
年間のエネルギー収支ゼロを目指すZEHから更に進んだもので、主な要件は次の4つです。
- 強化外皮基準に適合
- 一次エネルギー消費量を基準値の25%以下に削減
- ライフサイクルCO2排出量がゼロ以下
- 「CASBEE(キャスビー、建築環境総合性能評価システム)」でB+ランク以上
性能向上計画認定住宅
性能向上計画認定住宅とは、新築やリフォームにおける省エネ計画が下記の3つの基準を満たすと認定された住宅のこと。
認定されると省エネ設備の設置面積について容積率特例を受けることができます。
- エネルギー消費性能が省エネ基準を超え、誘導基準にも適合
- 性能向上計画が基本方針に沿っている
- 適切な資金計画である
パッシブハウス
冷暖房ではなく自然の力を活用し、パッシブ(受動的)に快適な住環境を目指すことからその名がつけられたパッシブハウス。
地球の気候変動を抑えつつ快適に暮らすためにドイツの物理学者が考案したもので、世界的にも厳しい3つの基準が求められます。
- 冷暖房負荷が15kWh/㎡以下
- 50Paの加圧時の漏気回数が0.6回以下
- 一次エネルギー消費量が120kWh/㎡以下
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光熱費が年14万円も削減可能!注目の省エネ住宅とは
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