この記事の目次
注文住宅・13の防犯対策
狙われにくいエリア・土地を選ぶ
狙われにくいエリア・土地を選ぶことで防犯効果が高まります。人通りの多さや街灯の数、警察署や交番が近いかなどをチェックしましょう。
また、平日の日中と夜間に現地に行き、周囲の雰囲気を確認することも大切。地域の治安情報や犯罪統計なども調べておくとよいでしょう。
防犯性の高い玄関周りに
玄関に防犯性の高い設備や機器を取り入れることで、空き巣や不審者から住まいを守ることができます。
・玄関の錠前を2つ以上つける
侵入に時間をかけさせる効果があります。錠前はピッキングやサムターン回しに強いタイプにするとより安全。
鍵穴の内部構造が複雑でピンの数が多いためピッキングに時間がかかる「ディンプルキー」や、電気を使って開閉操作をするため鍵穴がなく不正解錠を防げる「電子錠」、回転式ディスクシリンダーとロッキングバー方式を採用してピッキングしにくい作りになっている「ロータリー方式シリンダーキー」などの錠前がおすすめです。
・ガードプレートや防犯フィルムをつける
ガードプレートは、ドアと壁の隙間に取り付けることでバールやドライバーなどの工具によるこじ開けを防ぐプレートです。
また、防犯フィルムを窓ガラスに貼るとガラス破りを防ぐ効果があります。
・モニター付きインターホンや防犯カメラを設置する
訪問者の顔や外の様子を確認できるよう、モニター付きインターホンや防犯カメラを設置しましょう。
モニタリング付きや録音・録画機能付きなど、商品によってさまざまな機能があります。
・門灯やセンサー付きライトを設置する
門灯や人の動きに反応して自動で点灯・消灯するセンサー付きライトは、夜間に玄関周りを明るくして不審者を寄せ付けない効果があります。
明るく照らされることで発見されたと思うなど、侵入者の心理的な抑止力になるのです。
・スマートロックを設置する
スマートロックは、スマートフォンやICカードなどのデバイスで施錠・解錠できる鍵のこと。
物理的なキーを必要としないため、鍵の紛失や盗難のリスクを軽減できます。
スマートフォンのアプリやWebブラウザから施錠・解錠できるため、遠隔操作も可能です。
鍵をディンプルキー・スマートキーに
ディンプルキーは、鍵穴に複数の凹みがあり、その凹みと鍵の形状が一致することで開錠する仕組みになっている鍵のこと。
従来の鍵穴と比べて複製が困難でピッキングにも強いため、防犯性が高いといわれています。
スマートキーは、鍵の代わりにカードやリモコンなどのキーレスで開錠するシステムのこと。鍵穴がないため、ピッキングや鍵穴破壊による侵入を防ぐことができます。
また、二重ロック(補助錠)を設置することも防犯対策として有効です。
二重ロックとは、玄関のメイン錠とは別にもう1つの錠を設置すること。メイン錠と二重ロックの両方を施錠することで、侵入をより困難にすることができます。
防犯カメラを設置
防犯カメラを設置していると犯罪者に「見張られている」という心理的な抑止力を与え、犯罪を起こしにくくなります。
また、万が一犯罪に遭ってしまっても、防犯カメラの映像には犯人の顔や服装、犯行の様子などが記録されているため、犯罪の証拠として警察に提出できます。
ただし、防犯カメラを設置する際には、法律違反にならないように配慮する必要があります。
防犯カメラの映像は、個人情報保護法の対象となるため注意が必要。
カメラの近くに看板やステッカーなどを設置し、カメラの存在や目的、問い合わせ先などを知らせるなど、設置目的を明確にしてプライバシーの侵害を防ぐ必要があります。
また、「映像を第三者に開示しない」「映像を保存する期間を定める」「映像を廃棄する際には適切な方法で行う」といった規約を守り、映像の取り扱いに注意しましょう。
窓・ガラスを防犯仕様に
窓ガラスは空き巣の侵入経路として最も多く利用される場所。防犯ガラスや面格子窓、補助錠などを設置することで、空き巣の侵入を防ぐよう対策しましょう。
防犯ガラスには割れにくいガラスや複数のガラスを重ねたものがあり、通常のガラスよりも破壊しづらく侵入に時間がかかるため、空き巣の抑止力になります。
CPマーク(防犯性能の高い建物部品として公益財団法人全国防犯協会連合会が目録に掲載している建物部品のしるし)の付いた防犯性能の高いものを選ぶことがおすすめです。
窓に鉄格子が取り付けられた面格子窓は、窓を割られても侵入を防ぐことができます。
面格子窓には開閉式や可動式などさまざまな種類がありますが、設置する場合は火災時などの脱出経路がなくならないよう注意しましょう。
補助錠は、窓にすでに付いている鍵(主錠)の補助として後から取り付ける鍵のこと。
貼り付けタイプや圧着タイプなど種類はさまざまですが、いずれも開錠に時間がかかるため、空き巣の抑止力になります。
防犯砂利を敷く
防犯砂利は、踏むと大きな音が鳴るように作られた砂利のこと。
不審者が敷地内に侵入した際に音で気づきやすくなり、犯罪を未然に防ぐことが可能です。ガラス製や天然石製、溶岩製、瓦製などの種類があります。
防犯砂利は、玄関や窓際の他、リビングの窓から死角になる場所や勝手口側の通路・隣家の境界線・家の真後ろといった人目につかない・侵入者が入りやすい場所に敷きましょう。
屋外照明を工夫する
屋外照明を設置することで暗い場所を明るく照らして不審者を目立ちやすくし、犯行の難易度を上げることができます。
また、照明が点灯していることで住人が不在でも有人であるように見せかけ、不審者の侵入を抑制することができます。
不審者の動きを感知して自動で点灯する人感センサー付きの照明が効果的です。
タイマー式ライトやスマート家電を活用
タイマー式ライトはあらかじめ設定した時間に自動で点灯し、防犯カメラや防犯アラームと連動させることが可能です。
スマート家電とは、インターネットに接続してスマートフォンやタブレットなどの端末を専用アプリと連携し、遠隔で操作できる家電のこと。
留守の間に部屋のライトやテレビなどを自動で点灯・消灯させることで人の気配を感じさせ、空き巣や忍び込みなどの侵入者を抑止することができます。
タイマー式ライトやスマート家電は必要な時間だけ電源を入れることができるので、防犯の他にも省エネや節電に効果があります。
電動シャッターを取り入れる
電動シャッターはモーターで作動し外部からのこじ開けが非常に難しいため、取り入れることで防犯性が高まります。
リモコン操作ができるため天候が悪い日でも窓を開けずにシャッターを開閉できる・音が小さく近所への迷惑になりにくいといったメリットも。
商品によっては障害物の感知・自動ロック・タイマー機能・停電時の非常開放機能・スマホ操作機能などが付いており、便利に操作できます。
ただし、停電時などには手動で開ける必要がある場合がありますので、鍵でモーターのロックを解除できる電動シャッターを選ぶと安心です。
塀や生垣の高さに注意
塀や生垣の高さは道路から2階まで見えない程度の1.5~1.8メートルくらいが適切だと言われていますが、高すぎると外から見えなくなるため侵入の準備や侵入後の犯行がしやすくなり、空き巣や泥棒にとって格好の隠れ場所になってしまいます。
プライバシーは確保しつつも外を歩く人が見える程度の高さにして見通しをよくすると、空き巣や泥棒が周囲から発見されやすくなり防犯効果が高まります。
塀の上に忍び返し(侵入防止のためのとがった部位)を付けたり、トゲのある植物を植えたりするのも効果的です。
ベランダやバルコニーの位置にも注意
ベランダやバルコニーは、泥棒の侵入経路として狙われやすい場所。
高すぎると目隠しになって泥棒の隠れ場所になりやすいため、手すりやフェンスは見通しが良く、気配が分かるようなデザインにすることをおすすめします。
植物やゴミ袋、工具などがあると、侵入者の目に留まりやすくなるうえガラス破りの道具にされたり足場にされたりする可能性もあるため、ベランダやバルコニーには極力物を置かないのが肝要。
エアコンの室外機やごみ捨て用ボックス、塀やカーポートの屋根、庭木などは、位置を考慮して配置するようにしましょう。
間取りに工夫を
例えば、掃き出し窓は侵入経路として狙われやすいので、できるだけ少なくするか防犯性の高い窓にしましょう。
掃き出し窓を設置する場合は、ハイサイドライト(高窓)や横すべり出し窓など、開口部が狭くて人が出入りしにくいタイプのものがおすすめ。
雨戸やシャッター、面格子などを設置して侵入を防ぐことも効果的です。
寝室は静かで人通りの少ない場所に配置されることが多いものですが、そうした場所は死角になりやすいため、見通しがよく外からの視線が入りにくい場所に配置するのが望ましいでしょう。
寝室の窓にはハイサイドライト(壁面の高い位置に取り付ける窓)や横すべり出し窓(窓枠の左右に設けられた溝に沿って窓を室外側にすべり出させて開ける窓)などを設置すると防犯性が高くなります。
複雑に曲がった間取りも、侵入者にとって隠れやすい環境を作ってしまう可能性があります。
家の周囲が正方形や長方形になるようなシンプルな間取りにして見通しをよくすると、侵入者が周囲から発見されやすくなり、防犯効果が高まります。
塀ホームセキュリティに加入
ホームセキュリティは、警備会社が24時間365日、不審者の侵入や火災、ガス漏れなどを監視するシステムのこと。
侵入者を感知すると警備会社に異常情報が送信され、警備員が駆けつけます。
ホームセキュリティを導入している家には防犯ステッカーが貼られるため、不審者の目につきやすく、狙われにくくなるという効果もあります。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
警視庁のデータで見る、住宅の防犯の必要性
侵入犯罪の推移は?
侵入犯罪の認知件数は、平成15年をピークに20年連続で減少しています。
令和4年には3万6,588件(前年比-1.8%)、住宅対象侵入窃盗は1万5,692件(前年比-9.2%)とのデータ結果が出ているものの、年間1.5万件を超える犯罪が起こっているのも事実。住まいの防犯対策はぬかりなく施しておくべきでしょう。
※参照:警視庁「住まいる防犯110番」データで見る侵入犯罪の脅威 https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_b_1.html
侵入・破壊器具は何が使われている?
侵入・破壊器具としては、以下のようなものが使われているようです。
・工具類
バール・ハンマー・電気ドリル・ドライバー・パイプレンチなど。ドアや窓、壁などの破壊に使用されます。
・特殊器具
ガラスを割るための「ガラスハンマー」、ピッキング用の「ピッキングツール」、鍵穴を破壊するための「鍵穴破壊工具」など、通常の工具類では侵入が困難な場所や建物に侵入するために使用されます。
・身近な物
侵入者が手持ちの道具で侵入する場合は、石、棒、家具などの身近な物も侵入・破壊に使用されることがあります。
※参照:警視庁「住まいる防犯110番」器具で見る侵入犯罪の脅威
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_c_1.html
侵入方法はどんなものがある?
空き巣の侵入方法は、大きく分けて「無締まり」「ピッキング」「ガラス破り」の3つがあります。
ドアや窓が施錠されていない「無締まり」状態は空き巣の侵入方法の約4割を占めており、最も多く発生しています。
鍵の締め忘れや、鍵をかけているつもりが実は開いていたなど、さまざまな原因で発生します。
「ピッキング」は、鍵穴にピッキングツールを挿し込んで鍵を抜き取らずに開錠する方法で、空き巣の侵入方法の約2割を占めています。
ピッキングツールは専門の業者でも数分で開錠できるため、空き巣にとっては比較的簡単な方法です。
窓やドアのガラスを割って侵入する「ガラス破り」は、空き巣の侵入方法の約2割を占めています。
ガラスは比較的簡単に割ることができるため、空き巣にとっては比較的簡単な方法です。
その他にも、ドアの鍵穴を破壊する「ドアのこじ破り」やドアの内側にあるサムターン錠を特殊な工具を使って外側から回して開錠する「サムターン回し」、錠シリンダーを迂回し、直接錠ケース内部に働きかけてデッドボルトを作動させ解錠する「カム送り解錠」など、さまざまな侵入手口があります。
※参照:警視庁「住まいる防犯110番」手口で見る侵入犯罪の脅威
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_d_1.html
失敗したくない方へ
知りたかったたった
1つのこと
手に入れる方法
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
みんなが注文住宅を建てる時に取り入れたい防犯設備は?
調査で分かった、住まいへの防犯意識のリアル
株式会社ロゴスホームと日本トレンドリサーチは、2022年10月1日~10月7日の7日間、全国の男女1332人を対象に「家に欲しい設備」に関する調査を実施しました。
その結果、住まいの防犯対策として「防犯カメラを取り入れたい」と回答した人は42.6%。現在防犯カメラを導入している人は14.8%にとどまりましたが、カメラ付きインターホンを導入している人は53.8%と半数を超えました。
これらの結果から、住まいへの防犯意識は高まっているものの、防犯カメラの導入はまだまだ浸透していないことが分かります。
とはいえ、カメラ付きインターホンは来訪者を映像で確認できるため、防犯カメラまではいかずとも来訪者に対する防犯意識は高い人が多いといえるでしょう。
住まいのプロに、防犯対策についても相談を
防犯対策は、住まいづくりにおいて欠かせない要素です。しかし、どのような防犯対策が必要かは住んでいる地域や家族構成、ライフスタイルなどによって異なります。
モデルハウスでは防犯対策を施した住まいを実際に見学していただくことも可能。見学はもちろん無料ですので、ぜひお気軽にご予約ください。
▼北海道の方はこちら
▼東北の方はこちら