快適なインターネット環境は、今や暮らしに欠かせない重要な要素のひとつです。
特に近年は、テレワークやオンライン学習の普及、スマート家電の増加により、安定したWi-Fi環境の構築がますます重要視されています。
注文住宅を建てるなら、間取りやデザインだけでなく、Wi-Fi環境にもこだわりたいものですね。
Wi-Fiを導入する際には、適切な設置場所や機器選び、回線選びなど押さえるべきポイントは数多くあります。
本記事では、注文住宅でのWi-Fi導入に関する基礎知識から、おすすめの回線、適切な設置場所などを解説します。
注文住宅のインターネット3種類を解説
光回線
光回線とは有線の光ファイバーケーブルを使用するインターネット回線のこと。電磁波の干渉を受けにくいため、安定したインターネット回線が利用できます。
光ファイバーは大量のデータを高速で転送できるため、それを用いた光回線はホームルーター・モバイルルーターと比べて回線速度が安定して速いのが特徴。動画ストリーミングやオンラインゲーム、大容量ファイルのダウンロードもスムーズです。映画やサブスクリプションなどで動画を頻繁に視聴する方、在宅ワークを行っている方に適しているといえるでしょう。
光回線を利用するには、立ち会いのもと自宅に回線を引き込む工事が必要ですが、工事業者とのスケジュールが合わないと1ヶ月かかる場合もあります。入居時期が決まったら早めに申し込むようにしましょう。
光回線の月額使用料は約5,600円程度。ホームルーター・モバイルWi-Fiの月額相場約3,000円~と比較すると少々高めといえますが、安定しているため長期間継続して利用するインターネット回線としてはおすすめです。
工事費は実質無料になるキャンペーンを行っている場合が多いので、導入を検討している会社のホームページをチェックしておきましょう。
ホームルーター
ホームルーターは、家に引き込むインターネット回線のような専門の工事は不要なので、届いたその日から使い始めることができます。コンセントに差し込んで電源を入れ、必要な設定を行うだけで、インターネットの利用が可能。特別な技術や知識は必要ありません。新築住宅に転居する前に入手しておけば、転居初日から家族みんなでインターネットが利用できます。
有線で接続するインターネット回線とは異なり、ホームルーターは移動が簡単なのもメリット。家中どこでも持ち運べ、引っ越しの際も持っていくことができます。
ホームルーターのデメリットは、光回線に比べると通信速度が遅い時があるという点。特に多くのデバイスを同時に接続する場合は速度の低下がみられます。比較的少ないデータ使用量で済む家庭や、光回線を設置できない家庭に適しているといえるでしょう。
また、プランによってはデータ使用量に制限が付いており、制限を超えると速度が低下することも。月に利用するデータの使用量を考えてプランを選びましょう。
ホームルーターの月額料金は、提供されるデータ量、通信速度、サービスの追加オプションなどによって変動します。提供している企業やプランによって異なりますが、一般的には月額約3,000円~6,000円程度となっています。
モバイルWi-Fi(モバイルルーター)
モバイルルーターは小型で軽く、持ち運びが可能なインターネット接続機器のこと。電波が届いていればどこでも接続が可能なので、入居後に工事不要ですぐ利用できるのがメリットです。新居ができあがる前に早めに入手したとしても、入居前から無駄なく利用できます。
鞄に入れて持ち運べる大きさなので、固定のインターネット回線への接続ができない場所での利用に適しています。外出先でもインターネット利用が可能なので、移動が多いビジネスパーソンや旅行が趣味の方は便利に活用できるでしょう。
モバイルルーターのデメリットとしては、バッテリー駆動なのでバッテリーの容量によって使用時間が限られるという点が挙げられます。建物によって電波状況が悪くなる場合もありますので、家屋の位置やエリアによっては利用できない可能性もあります。
また、Wi-Fiが飛ぶ範囲は限られているので、異なる部屋での同時利用などで使用するには不向きでもあります。
モバイルルーターの月額使用料は、約3,500円程度。固定タイプのルーターと比較すると費用が抑えられる点も魅力です。容量無制限で利用できる会社が多く、毎月の固定費を抑えられます。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
注文住宅にWi-Fiを導入する際のポイントとは?
注文住宅を建てる際に、Wi-Fiの導入計画で押さえておきたい5つのポイントについて解説します。
1.設置場所
Wi-Fiの設置場所は、住宅内の通信環境を左右する重要なポイントです。
電波はWi-Fiルーターを中心に球状に広がるため、家の中心に設置することで家中どこでも電波が届きやすくなります。
2階建ての住宅では、リビング上部の天井付近などに。3階建ての住宅では、家の中心となる2階が最適です。
ただし、壁や床などの障害物があると電波は弱くなるため、天井に近すぎる場所は避けましょう。
電波干渉や電波の吸収を避けるため、以下の場所への設置は注意が必要です。
● 電子レンジやコードレス電話などの電化製品の近く
● 水槽や花瓶など水が入ったものの近く
● 棚の中(特に金属製)
● 窓際や床、部屋の隅
扉付きの収納内部など、Wi-Fiルーターを見えない場所に隠してしまうと、電波状況が悪くなる恐れがあります。
見栄えも大切ですが、電波状況とのバランスを考慮して設置場所を検討しましょう。
新築の場合は、壁内に配線を通せば、ケーブルを隠せてWi-Fiルーターを美しく設置できます。
2.設置する高さ
Wi-Fiルーターの最適な設置高さは、床から1~2m程度です。
人の活動空間よりもやや高い位置に設置することで、家具や人の動きによる電波の遮断を防ぎ、より広範囲に安定した電波が届きやすくなります。
3.機器選び
Wi-Fiルーターを選ぶ際は、住宅の広さや間取り、持っているデバイス(パソコンやスマートフォンなど)の数に応じて、検討しましょう。
Wi-Fiルーターを選ぶポイントは以下の4点です。
【通信規格】
Wi-Fiにはさまざまな規格があり、現在主流となっているのは「Wi-Fi 4(11n)」や「Wi-Fi 5(11ac)」「Wi-Fi 6(11ax)」と呼ばれるモデルです。
2024年現在、最新規格である第6世代の「Wi-Fi 6(11a)」は、2.4GHz帯、5GHz帯、6HGz帯の3つの周波数帯に対応しており、通信スピードや安定性に優れています。
【周波数帯】
住宅に使用されるWi-Fiの通信規格は、主に2.4GHz帯と5GHz帯の2つに分けられます。
2.4GHzは障害物に強いですが、電波干渉を受けやすいです。
一方、5GHzは電波干渉が少なく通信速度が速いですが、障害物に弱い点がデメリットです。
使用環境に合わせて、適切な周波数帯を選びましょう。
【同時接続できる台数】
Wi-Fiルーターは、機種によって接続台数に限りがあります。
家の中で使用するデバイスの数に応じて、同時接続できる台数が多いルーターを選びましょう。
今現在使用している台数よりも、多く対応できるルーターなら、将来デバイスの数が増えたときにも対応しやすくなります。
【アンテナの数】
アンテナの数が多いほど、電波を広範囲に届けられます。
住宅の広さや間取りに合わせて、適切なアンテナ数のルーターを選びましょう。
また、Wi-Fiルーターの寿命は約4~5年です。
古いルーターは、接続が途切れたり通信速度が低下したりといった不具合が出ますので、適切なタイミングで買い替えを検討しましょう。
4.中継器の活用
床面積が広く部屋数が多い家だと、Wi-Fiルーター1台では電波が届きにくい可能性があります。
家の中の各部屋へ安定した電波を届けるために「中継器」の設置が有効です。
中継器は、Wi-Fiルーターとデバイスの中間に設置し、電波を中継して通信範囲を拡大させるものです。
インターネットがつながりにくかった部屋にも、Wi-Fiの電波をスムーズに届けてくれます。
5.ハウスメーカーへ相談するタイミング
Wi-Fi環境については、できるだけ設計の初期段階での相談がおすすめです。
LAN配線を壁内に通す場合、住宅の構造にかかわるため、間取りなど基本設計の段階での検討が必要です。
Wi-Fiルーターの設置場所やLANの差し込み口など、希望を早めに伝えることで、効率の良いネット環境が実現します。
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注文住宅のWi-Fi導入に関するQ&A
そもそも、有線LANと無線LANって?
有線LANは、その名のとおり物理的なLANケーブルを使用したインターネットの接続方法。通信速度が速く安定性とセキュリティが高いのが特徴ですが、LANケーブルの届く範囲でしかインターネットが使えない点、設置にコストがかかる点がデメリットと言えます。
一方、無線LANはケーブルを使わずインターネット接続ができる方法を指します。設置が簡単で家中どこでも使用可能ですが、部屋の配置や接続の混雑度合いによっては通信速度が遅くなったり、電波の干渉によって接続が不安定になったりすることも。また、有線LANよりセキュリティ面が弱いことも懸念点です。
回線業者とプロバイダーはどう違う?
インターネット回線業者は、インターネットへ接続するための回線を提供する業者のこと。プロバイダーは、その回線を利用してインターネットへ接続するサービスを提供する事業者を指します。
過去にはこれらを別々に契約する必要がありましたが、最近では「光コラボレーション」のように、インターネット回線業者とプロバイダーが一体となったサービスが主流になっています。
住宅は無線LANのトラブルが多い?
住宅で無線LANを使用する場合、無線LANは障害物の影響を受けやすいため壁が電波を妨害してしまい、インターネットの回線が不安定になってしまうことがあります。また、家電の近くに置くと無線LANの電波に影響を与えて不安定になる可能性も。
快適に接続するには、家電の近くは避ける・家の中心にルーターを配置するなどの工夫が必要です。住宅の構造によっては複数のルーターがないと電波が届かない場合もあるので、希望するルーターと使用範囲が適しているかを導入前に確認しましょう。
回線にするならいつ申し込んでおくべき?
入居日に光回線が繋がっていないと、当然ながらインターネットには接続できません。接続が完了するまでスマートフォンで連絡をしたり検索したりする必要があるためデータ使用量が増え、ギガ消費が急激に増加する可能性があります。
光回線は工事に来てもらえるまで時間がかかることも多いので、申し込みは入居予定日の2~3ヶ月前に行っておきましょう。
ただし、新築の家のように住所がまだ確定していない場合は、インターネットの申し込み時に「新築届」の提出が必要。新築届は施工してくれたハウスメーカーが提出するのが一般的ですが、自分で行うことも可能です。急いでいる場合は自分で新築届の手配をしたい旨をハウスメーカーに相談してみましょう。
回線の申し込み~開通までの流れは?
新居ですぐに光回線を使いたい場合、できれば2ヶ月前には光回線の申し込みまで済ませておきたいところ。繁忙期の申し込みであれば3ヶ月前には動き始めた方がいいでしょう。
新築の家に光回線を設置する際は、まず市区町村役場に「新築届」を提出し、新しい住所を確定させます。次にNTTに新築の住所を登録し、光回線の継続や新規申し込みを行いましょう。開通工事の日程を予約したのち、工事が行われます。工事後、業者がテストをして問題がなければ開通完了です。
開通工事の際には電気が必要ですので、工事前には電気工事を済ませておきましょう。
Wi-Fiを導入する際の費用とは?
注文住宅でWi-Fiを導入する費用は、主に次の5つが必要になります。
● Wi-Fiルーター本体の購入費用
● ONU(光回線終端装置)のレンタル料
● 中継器の費用(必要な場合)
● 光回線の引き込み工事費用
● 月々の回線使用料
それぞれの具体的な費用は、工事内容や機器の種類によって異なります。
Wi-Fi導入の注意点とは?
Wi-Fiを通じて交換される個人情報の漏洩を防ぐためには、適切なセキュリティ対策が欠かせません。
自宅やオフィスのWi-Fiルーターやコンピューターのセキュリティ設定を確認し、安全を保つための対策が必要になります。
無線LANのセキュリティで重要なのは、データの暗号化方式です。WPA2は無線LANのセキュリティ規格の一つで、WPA2にはTKIPとAESの2つの暗号化方式があります。
WPA2(TKIP)は古い機器との互換性を持っているため広く使用されていましたが、セキュリティ上の脆弱性が指摘されているため現在は推奨されておらず、より強固なセキュリティのWPA2(AES)が推奨されています。
また、建物の構造によってもWi-Fiの電波の繋がりやすさが異なります。木造建築よりも鉄骨造や鉄筋コンクリート造の方が電波の受信が困難になりがちですので、中継器を利用する、Wi-Fiルーターを家の中心に設置するなど、電波が届きやすい工夫をしましょう。
戸建て住宅でのWi-Fiの使用は、マンションに比べて月額料金が高くなる点にも注意が必要です。
マンションの場合、複数の入居者で同じ回線を共有する「マンション向けのプラン」が適用されます。
インターネット回線の導入にかかる手間やコストが省け、一件あたりの料金が抑えられる仕組みです。
一方、戸建て住宅では一住戸ごとに専用回線が必要になるため、基本料金が高くなるのです。
一戸建てはインターネットにかかる料金が高くなる傾向ですが、マンションと異なり個別契約なので、回線が混雑しにくく、回線速度や安定性に優れているのが特長です。
他の住戸と回線を共有しないため、Wi-Fiへの不正アクセスや個人情報の漏洩などのリスクが少なく、セキュリティ面でもメリットがあります。
注文住宅で快適にネットを使うために決めておくべきことは?
光回線を引きたいと考えている場合、光ファイバー用の配管を事前に設置しておかないと、後から追加工事が必要になります。
後から工事を行うとなると家の壁に直接穴を開けることになるため、新築の段階で光ファイバーケーブルを引き込むための配管を用意しておきましょう。
配管だけでなく壁内にLANケーブルを配線し、各部屋に有線LANのポートを設置しておくのも大切。ルーターから離れた際に信号が届かなくなる状況を防ぎ、家中どこでもインターネットが利用できるようになります。
LANケーブルや電源ケーブルが部屋を横切るような状況を避けるため、部屋のレイアウトは綿密に検討しましょう。
また、スマートフォンや家電製品をWi-Fiに接続するためにはルーターが必要。家全体をカバーするためには、ルーターを家の中央付近に設置することをおすすめします。
既存の光回線は新居でも継続利用できる?
現在使用中の光回線が新居で利用可能かどうかは、回線によって異なります。
新居で既存の光回線を使用するためには新居の住所が光回線のサービス提供エリア内にある必要があり、サービス提供エリア外では既存の光回線を引き続き使用することはできません。
新居の住所がサービス提供エリア内にある場合は、移転手続きを行えば現在の光回線サービスを継続して利用できます。
回線を引くならスマホの料金見直しが必要?
光回線を利用した場合、自宅にいる間はほとんど光回線を介してインターネットに接続することになるため、外出や出張が多い人以外はスマホの大容量プランは不要なくなる場合が多いでしょう。新居への入居前にスマホのプランを見直しておきましょう。
一部の光回線サービスが提供している「セット割」なら、光回線とスマートフォンのプランを一緒に契約することでスマートフォンの料金を削減できます。光回線を選ぶ時の検討材料にしても良いでしょう。
建てた後に光回線を引きたい場合はどうする?
家を建てた後に新たに光回線を引く場合、申し込み後、宅内調査(立ち合いが必要)で光ファイバーケーブルの引き込みルートと機器設置場所を確認してもらう必要があります。
壁に穴を開けるのに抵抗がある方も多いと思いますが、現在では光ファイバーケーブルの引き込み工事はほとんど穴あけ不要となっており、既存の配管やエアコンダクト、換気扇の隙間を利用して光ケーブルを引き込むことが可能です。
工事費用は定価で数万円となっていますが、多くの業者が工事費無料になるキャンペーンを行っていますので、申し込み前に確認しましょう。
失敗したくない方へ



知りたかったたった
1つのこと

手に入れる方法
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
まとめ
注文住宅でWi-Fiを導入する際は、設置場所や機器選びだけでなく、住宅の構造や間取り、家族それぞれのライフスタイルに合わせた回線選びも重要です。
家づくりの初期段階から早めにハウスメーカーに相談し、最適なプランを検討しましょう。
快適なインターネット環境のある注文住宅をご検討の方は、つぎの3つのこだわりをもった、実績豊富なロゴスホームにお気軽にご相談ください。
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