この記事の目次
【5選】注文住宅の寒さ対策
寒さ対策1.断熱性・気密性が高い断熱材
注文住宅の寒さ対策では、外の空気を中に入れない「断熱性」と、すき間の少ない「気密性」を考える必要があります。
木造住宅は室内の熱が外に逃げてしまう性質があるため、建てる時の対策をしっかり行わないと寒いだけでなく暖房効率も悪くなり、冬の生活そのものが苦痛になってしまうことも。
解決策のひとつとして、断熱性と気密性の高い「断熱材」の使用がおすすめです。
断熱材を内壁と外壁の間に施工することで、外気は遮断され温かい室内の空気は逃げにくくなり「冬は暖かく、夏は涼しい」理想の住まいが実現します。
注文住宅を建てる時のコストを重視しすぎると、見えない部分の断熱材の費用が削られがちなので注意しましょう。
寒さ対策2.サッシの性能
部屋の中でもっとも熱が逃げやすい場所が「窓辺」。寒さ対策には性能のいい素材のサッシ(窓枠)を使用し、断熱性・気密性を高めましょう。
サッシの素材は主に以下の4種類です。
アルミサッシ
日本で一番多く使用され、安く設置できます。
金属は熱を温かい場所から寒い場所へ逃がしてしまう性質があるため、結露発生の可能性が高く、断熱効果はあまり期待できません。
樹脂サッシ
素材は塩化ビニール樹脂で、寒冷地で多く使用されています。
アルミサッシより強度が弱いため厚みのある構造になりますが、断熱性に優れており光熱費を抑えることが可能。結露も防ぐため、カビやダニの繁殖を防ぐことができます。
アルミ樹脂複合サッシ
アルミサッシと樹脂サッシを組み合わせたもので、優れた断熱性があります。
外側がアルミ、内側が樹脂の構造になっており、強度のある細くすっきりとしたデザインとサビにくいことが特徴です。
木製サッシ
北欧などの住宅で採用されることが多いサッシで、高い断熱性と温かみのあるデザインが人気です。
木製サッシは見た目の美しさと劣化を防ぐため塗装していますが、劣化が進むと結露やカビが発生する原因となるため、定期的な塗りなおしが必要です。
寒さ対策3.性能の良い暖房システム
ストーブやエアコンなど暖房システムは色々ありますが、性能がよく家のつくりに合った暖房システムを選びましょう。
性能の良い暖房システムで代表的なものは、家全体を24時間換気しながら健康的に温めてくれる「セントラルヒーティング」などの全館空調システムや、足元からじんわりとした温かさが伝わる「床暖房」があります。
家全体の温度にムラをなくすことで、ヒートショックの発症リスクも低くなります。
寒さ対策4.吹き抜けやリビング階段を避ける
おしゃれな家の代表ともいえる「吹き抜け」や「リビング階段」のある家は温まりにくいため、注文住宅を建てる時はさらに寒さ対策が必要です。
吹き抜けやリビング階段が温まりにくい原因の1つに、温かい空気は上へ移動するという性質があります。
温められた空気が下の階から吹き抜けやリビング階段を上昇していくため、低い場所は温まりにくく寒さが残ってしまうのです。
寒さ対策として、吹き抜けのある場所にはシーリングファンをつける、リビング階段の前にドアやロールスクリーン、カーテンをつけるといった対策を施すと効果的です。
寒さ対策5.日当たりの良い家を選ぶ
日当たりのいい家は、日差しが差し込み昼間の室温が上がりやすくなります。
温かい時間があるとその分暖房費を抑えることができるため、注文住宅を建てる場合は日当たりの良さも考慮しましょう。
日当たりの悪い部屋は、寒いだけでなく暗く湿気も多くなりがち。結露やカビが発生する可能性が高くなり、ぜんそくやアトピーなどの健康被害の原因となってしまいます。
その他の寒さ対策
暖房効率を良くするために、ストーブやヒーターなどの暖房機器は窓の下に設置することをおすすめします。
窓の下に設置した暖房機器が窓際で冷たくなった空気を暖房の熱で阻止し、温風が正面の壁にあたって跳ね返るため、部屋全体がムラなくポカポカになります。
足元の冷え対策としては、断熱性の高い無垢の床材を取り入れたり、床や壁に断熱シートを施工したりすることが効果的。床下からの冷気を抑えると暖房効率が向上し、光熱費が抑えられます。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
どうして寒くなるの?注文住宅の防寒について
一戸建てが寒くなる原因
一戸建てが寒くなるにはさまざまな原因がありますが「暖房をつけてもなかなか温まらない」「足元が冷える」といった場合は「コールドドラフト現象」が起きているかも知れません。
温かい空気は上へ、冷たい空気は下へ流れる性質がありますが、コールドドラフト現象は暖房によって温められた空気が冷たい窓で冷やされ床に降りてくるため、部屋の天井と床で大きな温度差が生じる「底冷え」現象を指します。
コールドドラフト現象は、2枚のガラスの間に空気の層を設けた断熱性の高い「複層ガラス」や、太陽の熱で温かさを取り込む加工をした「Low-E複層ガラス」といった断熱性のある窓ガラスの設置で防ぐことができます。
建てて後悔…寒さ対策の失敗例
寒さ対策に失敗する理由には「間取り」も関係してきます。
玄関を入ってすぐにリビングやダイニング、キッチンが繋がっている間取りは効率的な導線ではあるものの、人がラクに通り抜けられる導線は、冷たい空気も通りやすい道。
扉を開けた瞬間、一気に冷たい空気が部屋中に入ってきます。
玄関に吹き抜けがあるとなおさら寒く、暖房を強めにすると温かい空気が上昇し、2階は暑く1階はいつまでたっても寒いままといったことになりかねません。
その他、家の部材選びも慎重に行う必要があります。
例えば、おしゃれだと思って取り入れたアイアン製の手すりは、寒冷地の冬は冷たさで数秒も触っていられないほどに。手すりの役割を果たさなくなってしまうのです。
注文住宅の場合、間取りやデザインの自由度が高い分、見た目にこだわりすぎて「住んでみたら寒さ対策が不十分だった…」という声も多くあるため、デザインだけでなく防寒性にも考慮しましょう。
建てた後でもできる寒さ対策
寒さ対策を万全にしたつもりでも、住んでみて「やっぱり寒い…」となってしまうことも。そんな場合に備えて、なるべくお金をかけずに、建てた後でもできる寒さ対策をまとめました。
カーテンで窓周辺の対策をする
窓からの冷気が気になったら、遮熱・防寒・断熱効果のある素材や暖色系のカーテンや、床まで届く長さを選びましょう。
壁とカーテンの間が広いほど冷気が溜まるため、カーテンレールの回りと壁の隙間を埋めるカーテンボックスを取り付けるといった対策も効果的です。
床にラグやホットカーペットを敷く
足元の冷えが気になる場合、厚みがあり保湿性に優れたラグやカーペットを敷くと床からの冷えをガードしてくれます。
ホットカーペットとアルミ素材のラグを併用すると熱伝導率がよくなり、温かさが格段にアップするのでおすすめです。
すき間対策をする
すき間風対策として、窓枠周りやドアが当たる「戸当たり」に貼るだけで対策ができる「すき間テープ」で冷気を防ぎます。
すき間テープはホームセンターや100円ショップでも気軽に購入できるため、手軽に寒さ対策が可能です。
部屋と部屋の間を仕切れる扉やカーテン、ロールスクリーンの設置も検討してみしましょう。
この他にも、足元に小さいヒーターを使う、ドアを開けっ放しにしないなど、工夫次第でより有効な寒さ対策が可能です。
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