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何から始める?注文住宅を建てたいと思ったらまずやるべきこと
注文住宅が建つまでの期間は8~15ヶ月程度が一般的。フルオーダー・セミオーダーの違いや土地探しの有無などによってはさらに期間が掛かることもあります。
とはいえ、「早く家を建てたい!」と焦って動き出すのは失敗のもと。最初の1~2ヶ月を使って、まずは情報収集や予算決めなど注文住宅を建てるための土台を固めておくのがポイントです。
情報収集と希望の整理
家の外観や間取り、住む場所まで自由に決められる注文住宅。理想のマイホームを建てるためにも、まずは基本的な家づくりの知識を身につけることから始めましょう。
1,000円台で購入できる書籍でも基本的な知識は十分手に入れられます。また、家族で意見を出し合って以下のような点について書き出してみるのもおすすめです。
・家を建てる理由は?
・現状の暮らしで何に困っている?
・どこで、どのような暮らしがしたい?
お互いの希望や現状の不満などをまとめたら、その中で叶えたいこと・解決したいことの優先順位を話し合ってみてください。そうすれば、家族が満足できる理想のマイホームのイメージが具体的になるはずです。
また、実際にどんな家が建てられるものなのか、ハウスメーカーや工務店のカタログを見たりSNSで施工事例をチェックしたりしてみましょう。
SNSで気になるデザインや設備などのハッシュタグで検索すると、いろんなパターンの事例を確認できます。実際に家を建てた方の声も参考になるでしょう。
これらの事前準備をせずに気持ちだけ先走ってしまうと、大きな後悔に繋がる可能性も。例えばこんなアクションには注意しましょう。
・いきなり住宅展示場に行く
右も左も分からない状態で展示場に行くと、営業を断り切れずどんどん話が進んでしまったり、希望とは違う決断をしてしまったりする可能性も。家が建った後に「もっと考えておけば…」と後悔しないよう、下調べをしてから来場するのがベターです。
・まずは土地の購入だと思って不動産会社へ行く
土地と家の予算バランスを考えないまま土地を購入すると、予算オーバーになってしまうリスクが高まります。予算感を具体的に示せないと、不動産会社が予算度外視の提案をしてしまうというリスクもあります。
・親に相談する
親が家を建てている場合はまず頼ってしまうかもしれませんが、時代によって土地や建設に掛かる費用が異なったり、住宅設備が進化していたりします。そもそも親が考える理想の家が、家族の理想と異なっていることもあるはず。
こういった失敗を防ぐためにも、自分たちの理想を明確にするのが先決です。
予算決め
予算を決める際には、実際に何にどのくらいお金が掛かるのかを知っておきましょう。
<土地購入費用>
土地購入費は、注文住宅を建てるための総費用のうち30~40%が目安。土地購入に掛かるお金はもちろん、付随して不動産取得税や仲介手数料、固定資産税・都市計画税、測量費用、地盤調査費用、建築確認申請費用などが掛かります。
地盤が緩い場合は整備費や改良費が掛かることもあるので、住みたい土地の地盤についても調べておきましょう。
<建築費用>
家を建てるために掛かる費用は、本体工事費・付帯工事費・諸費用の3つに大別されます。土地を購入する場合は、総予算から土地購入費を除いた金額が建築費用にかけられる予算です。
その建築費用のうち、本体工事費は70~80%、付帯工事は10~20%が目安の割合。諸費用は登記費用や住宅ローンの保証料、引越し費用・家具家電購入費などの新生活に掛かる費用をまとめたもので、建築費用の5%が目安です。
具体的に注文住宅を建てるためにいくら掛かっているのかを確認できるデータとして「フラット35利用者調査(2021年度)」を見てみましょう。
データによると、土地の購入をして家を建てる場合の全国平均費用は4,455万円。すでに土地を持っていて建物だけを建てる場合は3,572万円です。
年収倍率も同じデータから確認ができます。年収倍率とは、住宅ローン申込の審査をする際に融資の判断基準の目安とする数値。「年収倍率=住宅購入金額÷購入者の年収」という計算式で算出され、例えば4,000万円の住宅を年収800万円の人が購入する場合の年収倍率は5倍となっています。
「フラット35利用者調査(2021年度)」を見ると、土地付きの注文住宅で年収倍率7.5倍の費用、注文住宅のみ(土地購入なし)の場合は6.8倍の費用をかけていることが分かります。
上記はあくまで目安のため、年収や日々の生活費、子どもの進学など近い将来に掛かる予定の費用などを鑑みてゆとりを持った予算計画をしましょう。
注文住宅の購入は数千万円単位のお金が動くため、金銭感覚がおかしくなりがち。理想を詰め込み過ぎると予算オーバーになってしまいますし、ローン返済を滞納すればせっかくのマイホームを失ってしまう可能性もあります。
※参照元:住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2021年度)」
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
次は何をする?注文住宅が建つまでの流れ
具体的な家のイメージや予算が固まったら、いよいよ土地探し・建築会社探しに取りかかりましょう。注文住宅が建つまでの流れは以下の通りです。
土地探し
土地がない場合は土地探しから始まります。家族の要望や優先順位を参考に、インターネットを利用して希望エリアの土地の相場などを調べましょう。
以下のような点が土地探しのポイントになります。
・立地…駅やバス停までの距離、スーパーといった施設の豊富さなど
・土地の形や方角…南や東向きの土地に比べて、北向きの土地は安価な傾向
・土地の高低差…道路よりも低いところにある場合、水害対策のために盛土工事が必要になることも
・災害リスク…浸水や土砂崩れなどの災害に備え、ハザードマップも確認を
・土地の境界線…境界線がはっきりしていないと、隣地所有者とトラブルになる可能性も
建設会社によっては土地探しから対応してくれることもあります。家を建ててくれる会社に土地探しからお願いができれば、土地購入費と建築費の予算バランスも取りやすく、希望の設計が実現可能な土地を選びやすいというメリットを得られるでしょう。
すでに土地を持っているのであれば、土地探しの必要はありません。ただし、土地を両親から譲り受けたり有償または無償で貸借したりする場合、相続税や贈与税などの税金を支払う必要があるため注意が必要です。
建築会社選び
土地選びと同時に建設会社選びも進めていきましょう。建設会社は次の3つに分けられ、それぞれ強みや特徴が異なります。
<工務店>
地域密着型であり、設計から建設・管理まで一貫して行うのが一般的。要望が伝えやすく、コストを抑えたマイホームを建てたいときに融通が利きやすいというメリットがあります。工務店によっては土地探しやローンの相談などを一貫してサポートしてくれることも。
<ハウスメーカー>
全国展開しているブランド力が魅力。最先端の工法を取り入れたり、土地探しから家の設計・建設、資金繰りまでトータルで相談できたりするのがメリットです。
<設計事務所>
いわゆるデザイナー(建築家)の事務所。変形地や狭小地でも快適な空間設計を提供してくれるなど、オーダーメイド力に優れる点がメリットです。ただし、設計事務所が行うのは設計のみ。施工は契約先の工務店などが行います。
まずは見学会などに積極的に参加して、どんな建築会社なのか、説明や質問への受け答えちゃんとしてくれるかなどをチェックしてみましょう。
建築会社の候補が絞れたら、家づくりの希望を伝えて設計プランや見積もりを取ってください。要望に沿ったプランニングになっているか、予算オーバーしていないかどうか比較してみましょう。
「ここなら安心・納得して任せられる」という会社が見つかったら、仮契約を結ぶことになります。仮契約とは、より具体的な建設プランや見積もりを出してもらうために必要な契約で「こちらの会社に正式に依頼をするつもりです」という意志表明にもあたる契約のこと。仮契約の際は10万円ほどの申込金が発生するので覚えておきましょう。
住宅ローンの申請
住宅ローンの申し込みから契約までには、事前審査と本審査の2つが行われるのが一般的です。
<事前審査(仮審査)>
借り入れできる金額や返済能力の有無についての審査を受けます。事前審査の結果が出るまでの期間は1週間程度です。
<本審査>
年収や購入物件の担保価値、団体信用生命保険(団信)に加入できる健康状態かどうかなど返済能力の詳細について調査されます。本審査の結果が出るまでは1ヶ月程度かかるのが一般的です。
本審査が行われるタイミングは、土地の購入や建設プラン・本見積書が完成したあたり。実際に住宅ローンの融資が始まるのは、家の引き渡しが完了したときです。
そのため、土地購入費もローンによる資金で支払おうと考えている場合はつなぎ融資が必要。つなぎ融資とは、住宅ローンの融資を受けるまでに支払う必要のある費用に充てる融資のことです。
つなぎ融資は住宅ローンとは異なり金利が高めに設定されている点に注意が必要。家の引き渡しが終了して住宅ローンの融資が下りたら、つなぎ融資分を融資された額から返済してしまいましょう。
土地の購入
住宅ローンの事前審査が通った後は、申し込みをしていた土地の購入・契約締結を行います。
契約締結の前には「重要事項説明」を受けなければなりません。購入する土地について調べた内容と相違がないかどうか、疑問点などを確認してから契約を結ぶようにしてください。
契約時には手付金のほか、仲介手数料や契約書の印紙税などを現金で支払う必要があるので準備をしておきましょう。
本契約・着工
土地の購入に必要な手付金などの支払いやローンの本審査が通ると、いよいよ本契約・着工へと移ります。
本契約とは、仮契約を結んだ建設会社から提案された建設プランや本見積書に納得して正式な契約を結ぶこと。この時点で設計プランが確定するため、その後の変更は難しくなり、契約を破棄するような事態になれば違約金も発生してしまいます。
契約書は細部まで目を通すようにしましょう。
また、着工前に行う「地鎮祭」や「挨拶回り」、棟上げの際に行う「上棟式」の準備も忘れてはいけません。現代では上棟式を行わない簡略的なケースもあり、施工主の意思が尊重されますが、儀式やしきたりを重んじたい場合や地域の付き合いを大切にしたいという意向がある場合は、事前準備を忘れないようにしましょう。
完成・引き渡し
注文住宅が完成すれば引き渡しとなりますが、その前に完成検査が行われます。
完成検査とは引き渡し前の最終確認のことで、図面通りに建てられているか・水回りや電気系統がちゃんと使用できるか・傷が無いかなどを確認します。
引き渡し後に修理箇所を見つけると修理費用が発生してしまうため、細心の注意をはらって確認していきましょう。 問題なくすべてクリアしたら住宅ローン等で残金を支払い、マイホームの引き渡しが完了します。
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