そもそもLANとは?配線の構築には何が必要?
LAN(ラン)は「Local Area Network(ローカルエリアネットワーク)」の略称で、限定的なエリアのみのネットワークのこと。
具体的には一般家庭や会社で構築するネットワークが挙げられ、パソコンやプリンターなどのデバイスをLANに接続することで情報のやりとりが可能になります。
LANは有線と無線の2種類ある
有線LAN
LANケーブルを使用してコンピューターやネットワーク機器を物理的に繋げる方法は「有線LAN」と呼ばれます。
有線LANの大きなメリットは、安定した高速通信が可能であること。
大量のデータを迅速に転送する必要がある場合や、安定した接続を維持したい場合に適しています。
LANケーブルによって直接繋がっているため、情報が盗まれにくくセキュリティに強い点もメリットです。
オフィスやデータセンター、高速通信を必要とするゲーム環境など、安定した通信が求められる場面での使用と相性がよいといえるでしょう。
デメリットとして、ケーブルの配線が必要なため設置の場所や方法に制限があることが挙げられます。
自由度の高いレイアウトが難しく、ケーブルがむき出しのままだとごちゃごちゃとした印象を受けるため、配線の工夫が必要です。
無線LAN
Wi-Fiなどの無線信号を使用してコンピューターやネットワーク機器間で通信を行う方式は
「無線LAN」と呼ばれます。
ケーブルを必要としないため、設置が簡単で場所を選ばずに利用できる点が大きなメリット。
設置場所次第では屋外でもインターネットを利用できます。
機器の移動やレイアウト変更が容易にできるため、自宅・カフェ・公共の場所などの幅広いシチュエーションに適しています。
壁や障害物があると無線信号が弱くなったり、他の無線機器との干渉によって通信品質が低下したりと、有線LANと比べて通信速度や安定感が弱い点がデメリットです。
LANの配線・構築に必要な5つの機器
LANケーブル
有線LAN環境を構築する際に必須なのがLANケーブル。
パソコンをはじめ、スイッチングハブやルーターなどのネットワーク機器を物理的に接続し、データ通信を可能にする役割を持っています。
LANケーブルにも種類があり、CAT.7(カテゴリ7)やCAT.6(カテゴリ6)といった数値で分類されています。カテゴリの数字が高いほど性能が高くなりますが、その分値段も上がるので、自身の環境に必要な通信速度や伝送距離に適したものを選ぶと良いでしょう。
LANポート
パソコンやプリンターなどの端末にLANケーブルを接続するための差込口を「LANポート」と呼びます。
一般的にはパソコンに内蔵されていますが、中にはLANポートを備えていないものも。
有線に繋げたい場合には、変換アダプタを別途購入することで接続可能です。
その際は、通信速度やセキュリティ機能に対応した製品を選ぶようにしましょう。
スイッチングハブ
複数のデバイスを接続し、データを効率的に転送するための機器が「スイッチングハブ」。
2台以上のパソコンでネットワークを構築するときに使用し、スイッチングハブ同士をLANケーブルで繋ぐことでLANの延伸もできます。
スイッチングハブは種類によってLANポートの数が異なるため、購入時には必要なポート数や通信速度などを確認して選びましょう。
アクセスポイント(無線LANを使用する場合)
アクセスポイントは、有線ネットワークを無線化し、無線接続を可能にする機器のこと。
これによってスマートフォンやタブレットなどの無線デバイスがインターネットにアクセスできるようになります。
アクセスポイントを選ぶ際は、対応する無線規格や通信速度、設置する環境の広さを考慮しましょう。
ルーター
異なるネットワーク間でデータを転送するための機器で、家庭内のLANとインターネットを繋ぐために必要になります。インターネットと繋がる機器なので、選ぶ際には、ファイアウォール機能などセキュリティやネットワーク管理に役立つ機能を備えたものを購入しましょう。
家庭用途のルーターとして、アクセスポイントとルーターが一緒になった無線LANルーターと呼ばれる機器も普及しています。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
注文住宅においてLANを配線・構築する流れ
1.LANポートを配置する部屋を決める
LANポートはLANケーブルの差込口なので、有線LANだけでなく無線LANのためのモデムやルーターを繋げるために必須での設備。リビング・ダイニング・子ども部屋・作業スペースなど、インターネットを使用する頻度が高い部屋への設置がおすすめです。
LANポートを増やすには工事が必要になるため、現状は利用頻度が少ないと思われる部屋であっても将来的な利用を見越してLANポートの設置可否を決めるようにしましょう。
2.ルーターや家具の設置場所を決める
ルーターと家具の設置場所を決めておかなければ、部屋のどこにLANポートを設置するのかも決められません。
「一旦はここで良いだろう」と適当に決めたものの、後になって家具を設置した際にちょうどLANポートが隠れる位置になってしまうと配置箇所を考え直すしかありません。
特に大きなタンスなどは気軽に移動できないため、最初に大きな家具類の配置場所を決めておくと失敗のリスクが減らせます。
無線LANの場合は棚や壁のような障害物により電波が届きにくくなりますので、インターネットの接続環境の品質を良くするためにもルーターの置き場所を事前に決めておきましょう。
3.インターネット回線導入の工事
光回線の場合、回線の導入工事は家の近くにある電柱から建物の中へ光ケーブルを引き込みます。
工事では、壁に穴を開けて引き込む方法や電話線の配管やエアコンのダクトを通す方法を取ることが一般的。
注文住宅を設計する際に各種の配線や配管と一緒に設計に盛り込んでおくとよいでしょう。
すでに建っている家の場合は、どのような導入工事をするのか回線業者へ確認が必要です。
4.LAN配線の工事
インターネット回線の導入工事をした後は、モデムやルーターを配置する部屋まで壁の中に配管を通すLANの配線工事が行われます。
すでに住宅の壁の中に配管を通していればLAN配線の工事は簡単ですが、配管がない場合は室内の壁に沿う形で配線することもあります。
注文住宅を設計する際に設計担当者にモデムやルーターの配置場所を事前に伝え、壁の中にLANケーブル用の配管を作っておけば、スムーズに配線ができるでしょう。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
LAN配線をキレイに整える4つのポイント
将来のライフスタイルも考える
LANポートやルーターの設置場所は、将来も見据えて決めることが大切です。
注文住宅を設計している際は、完成直後の生活だけをイメージして将来どのように生活が変化しているのかを見落としがち。
しかし、部屋の模様替えや使用する家具・家電の変更、子どもが生まれるといった変化で生活スタイルは大きく変わります。
生活に変化が訪れた後に配線をやり直すのは時間や手間がかかり、簡単ではありません。
設置位置を決める際は「なぜそこがいいのか」理由を明確にし、10年後20年後の先を見据すえた配置を考えるようにしましょう。
配線が見えないようにLANケーブルを設置する
他がキレイに整っていたとしても、LANケーブルがむき出しの状態で視界に入ると部屋全体の印象がごちゃごちゃして見えてしまうもの。
家具の裏やカーペットの下に隠したり、ケーブルボックスで隠す方法もありますが、設計段階でできるだけ配線の露出を避けた配置を検討するようにしましょう。
LANケーブルはまとめる
長いLANケーブルはたるまないように緩い円状に束ねて収容することがあります。
マジックテープ式の結束バンドなら、解くときに切らなくて済むうえ何度も使用できるため利便性は高めます。
ただし、内部が圧迫されることで断線が起きて通信障害のリスクがあるため、束ねる際はきつく縛らないよう注意してください。
LANケーブルの長さを調節できるリールで巻き取っておくと、必要な時に簡単に延長できて便利です。
住宅を建てる前に壁の中に空配管を通しておく
注文住宅の間取りを設計するタイミングで、ケーブル類を通せるように壁の中に空配管を設置しておきましょう。
住宅が完成して住み始めた後にLAN配線を通したい部屋が増えたとしても、壁を壊さずに配線ができます。
空配管が通っていれば現状使用しているケーブルの通信速度に満足できなくなった場合も新しいケーブルを容易に配線することができるため、快適なインターネットライフを恒常的に送るためには必須の設備と言えます。
失敗したくない方へ
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内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
注文住宅のLAN配線で後悔しないために
快適なインターネット環境の構築のためにも、LANポートの設置は熟慮が必要です。
計画が不十分だとLANポートが不足したり、大きな家具や家電の配置次第では設置したLANポートを上手く活用できなくなったりする可能性も。
家を建てた後でも配線工事自体は可能ですが、手間やコストがかかるためおすすめできません。
設計段階からLANポートや配線の計画を立てて担当者と相談し、準備をするようにしましょう。
弊社ロゴスホームでは、設計士やインテリアコーディネーターをはじめとした高いプロ意識を持ったスタッフが多数在籍しています。
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