この記事の目次
一戸建て住宅には「新築一戸建て」と「中古一戸建て」があり、一戸建ての購入を検討している方の中には、どちらを検討するか悩まれている方も多いのではないでしょうか。
東日本不動産流通機構の「2020年首都圏不動産流通市場の動向」より、2020年の首都圏における中古一戸建ての制約件数は4年ぶりに過去最高を記録しています。中古一戸建ては「広いのに安い」「選択肢が多い」など理想の住まいを叶えられる魅力的な住宅です。
しかし、いざ中古一戸建てを検討してみると、さまざまな懸念点が上がり、総合的に判断する必要があります。
この記事では、中古一戸建てのデメリットに触れながら、メリットや中古一戸建て購入時の注意点をみていきます。これから中古戸建ての購入を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
参考:東日本不動産流通機構の「2020年首都圏不動産流通市場の動向」PDF1ページより
中古一戸建てにデメリットはある?
中古一戸建てのデメリットには、以下のようなものがあります。
⚫︎修繕費が必要な場合もある
⚫︎維持費がかさむ
⚫︎住宅ローンの審査で不利な可能性がある
⚫︎設備の老朽化
それぞれのデメリットを詳しくみていきましょう。
修繕費が必要な場合もある
中古一戸建ては「一度人が住んでいた期間」があり、完成したばかりの新築物件と比べて建物や設備が劣化する時期が早まり、入居後にすぐ修繕費がかかるケースもあります。
修繕内容別の費用目安(30坪の住宅)は以下のとおりです。
修繕費用目安(30坪の住宅)
⚫︎屋根の塗装‥40万〜80万円 ⚫︎外壁塗装‥100万〜150万円 ⚫︎水まわり設備の修繕・交換‥100万〜150万円 ⚫︎給排水設備工事‥50万円 ⚫︎フローリングの張り替え‥15万〜20万円(8畳) ⚫︎シロアリ防除‥20万円 ⚫︎外構工事‥50万〜100万円 |
上記のような修繕費用を考慮し、中古住宅を購入するときは建物と設備の状態を細かくチェックして、修繕費用やメンテナンス費用も含めた資金計画を立てましょう。
維持費がかさむ
中古一戸建ては、ある程度の築年数が経過すると、耐震性や耐久性などの問題から、リフォームを前提として購入する事例もあります。
築年数が経つと物件価格は下がりますが、そのぶんリフォーム費用がかさみます。
たとえば、築15年〜20年では水まわり設備の交換や外壁・屋根の修繕工事が中心ですが、築30年〜35年になるとフローリング張り替えや給排水管の交換、間取りの変更など大掛かりなリフォームが多くなります。
住宅購入費用にリフォーム費用を含めるか含めないかで資金計画が大幅に変更となるため、あらかじめリフォームを行っている中古物件の方が合計金額を抑えられるでしょう。
住宅購入後にリフォームを行うのであれば、住宅ローンとは別で「リフォームローン」を組むことも可能です。リフォームローンは毎月の返済額に無理のないようシミュレーションしてから実行しましょう。
住宅ローンの審査で不利な可能性がある
中古一戸建ては、実は新築住宅よりも住宅ローンが厳しくなる可能性があります。
住宅ローンの審査では、購入する物件の「担保価値」も重要な審査対象になるため、新築と比べて中古は評価が下がりやすく、築年数や状態によっては審査が通らないかもしれません。
担保価値とは、不動産を売却したときに得られる見込みの金額であり、融資の担保として設定する不動産の価値を指します。
審査に通ったとしても、住宅ローン控除などの優遇制度には新耐震基準以降などの築年数に関する条件が設けられているものもあるので、事前に制度の要件を確認しておきましょう。
設備の老朽化
中古一戸建て住宅は築年数が経過していると設備の老朽化が著しい場合があります。
前の持ち主の使い勝手にもよりますが、キッチンや浴室といった水まわりは、老朽化が進みやすい場所です。
中古一戸建て住宅を購入する際は、設備の老朽化が進んでいないか、設備交換の必要性などをチェックしておくといいでしょう。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
中古一戸建てにもメリットはある!
中古一戸建てのデメリットから触れましたが、さまざまなメリットがあるのも中古一戸建て住宅の魅力です。
中古一戸建ての主なメリットは以下の6つがあります。
⚫︎価格がリーズナブル
⚫︎物件を見比べることができる
⚫︎住むエリアの幅が広がる
⚫︎リフォームも可能
⚫︎水道負担金が不要
⚫︎面積が広い場合も
それぞれのメリットを詳しくみていきましょう。
価格がリーズナブル
中古一戸建て住宅の最大の利点は「手頃な価格で購入できる」ところではないでしょうか。
一般的に一戸建て住宅は築年数が経過すると資産価値が下がります。国土交通省の「中古住宅の適切な評価(中古住宅の寿命と資産価値)」によると約20年ほどで建物の価値はなくなります。
新築と同じ購入価格で中古を探すと、より利便性が高くて広い土地も候補に入り、住まいの選択肢が広がるでしょう。予算が限られている方は中古一戸建て住宅の方が条件の良い住宅が見つかるかもしれません。
参考:国土交通省「中古住宅の適切な評価(中古住宅の寿命と資産価値)」PDF6ページより
物件を見比べることができる
中古一戸建ては家の状態を実際に見たり触ったりして確認できます。
注文住宅などの新築住宅は完成前に購入を決断しなければなりませんが、中古住宅は家が完成した状態であるため、外観・内装・設備の状態を細かくチェックできるのです。
完成した住宅を実際に見学できると、他の住宅との比較がしやすく、購入後に「想像と違う」といったトラブルも防げるでしょう。
住むエリアの幅が広がる
中古一戸建ては希望条件の物件を選びやすくなり、住むエリアの幅が広がります。
物件探しで新築住宅に絞ってしまうと、住みたいエリアが選べなかったり、学区や立地を優先したいのに選択できなかったりするかもしれません。
しかし、中古住宅を選択肢に入れると物件数も増えて、条件がピッタリの住宅に出会える可能性も高くなります。理想の住宅と巡り会えないと悩んでいる方は、ぜひ中古住宅も検討してみましょう。
リフォームも可能
中古一戸建ては、購入価格を抑えたぶん、リフォームで新築同然の住まいを実現できます。
前述したように中古住宅は販売価格がリーズナブルになっていて、費用を抑えられるため、余った予算をリフォーム代にまわせます。
たとえば、家族の人数に合わせた部屋数に変更したり、内装を自分好みにしたり、新しい設備にしたりして理想の住居環境を整えられるでしょう。最新の設備やデザインを取り入れれば、新築のような仕上がりも期待できます。
水道負担金が不要
中古一戸建ては、水道負担金の支払いが不要です。
水道負担金とは、新築一戸建ての購入時にかかる初期費用であり、水道管の開発を行います。
中古住宅は初めに購入した人が納付しているため、新たに支払う必要がなく、住宅購入時にかかる初期費用を抑えられるでしょう。
面積が広い場合も
中古一戸建て住宅は、分譲の新築一戸建て住宅よりも面積が広い傾向があります。
住宅支援機構の「2023年度フラット35利用者調査」によると、延床面積の全国平均は注文住宅で119.5㎡、建売住宅で101.6㎡、中古住宅は114.6㎡となっています。
分譲の新築一戸建て住宅である建売住宅よりも、中古住宅の方が面積が広いという結果でした。
これは、新築住宅を分譲販売する会社は多くの住宅を建てた方が利益に繋がるので、最低限の広さの土地に住宅を建てるケースがあるためです。
一方、中古一戸建ての売主は個人であり、分譲販売はほとんどしません。広い土地に住宅が建っていたり、広い駐車場や庭があったりと、面積が広い住まいはメリットが豊富です。
参考:住宅支援機構「2023年度フラット35利用者調査」PDF17ページ「住宅面積(融資区分別)の推移(2013〜2023年度)」より
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
中古一戸建てを購入する際の注意点
中古一戸建て住宅購入時にはどのようなポイントに気をつけるべきか、具体的な注意点をまとめました。
中古一戸建てを購入する際の注意点は以下の4つです。
⚫︎ホームインスペクションの検討
⚫︎契約不適合責任(瑕疵担保責任)
⚫︎費用の概算と内訳を設定する
⚫︎リフォーム・リノベーションの相談ができる不動産をチェック
それぞれ解説していきます。
ホームインスペクションの検討
中古一戸建ての購入時には、ホームインスペクションを利用し、第三者である専門家の視点から判断してもらいましょう。
ホームインスペクションとは、住宅の劣化状態や欠陥の有無を専門家が調査し、アドバイスを行うサービスであり、住宅調査や建物検査とも呼ばれています。売主や不動産会社ではなく「第三者」の目線から診断してもらえるので、心強い味方になるでしょう。
修繕が必要な箇所は築年数が上がるごとに発生率も上昇します。欠陥や不具合が多い中古一戸建てを購入するときは、ホームインスペクションを活用して住宅の状態を把握しましょう。
契約不適合責任(瑕疵担保責任)
中古一戸建ての購入を決めた方は、瑕疵担保責任について確認しましょう。
瑕疵(かし)保険担保とは、新築住宅に欠陥(瑕疵)が発生した際に、補修費用を保険で賄う制度です。
たとえば「雨漏りがあった」「シロアリ被害に遭っていた」などが瑕疵に該当します。住み始めてからわかった欠陥に対応してくれるのが瑕疵担保責任です。
中古住宅にも「既存住宅売買瑕疵保険」の制度があり、売買された中古住宅に欠陥が見つかった場合に、補修費用等の保険金が支払われます。
ただし、中古住宅の既存住宅売買瑕疵保険の「保証期間」は契約によって異なり、売主が不動産会社(宅建会社)か個人かで変わります。一般的な保証期間は5年間または1年間です。
契約によっては売主が瑕疵担保責任を負わない可能性もあります。契約内容を確認するときは見落としがないように徹底しましょう。
参考:国土交通省「既存住宅売買瑕疵保険について」より参考:住宅瑕疵担保責任保険協会「既存住宅売買のかし保険(個人売買タイプ)」より
費用の概算と内訳を設定する
中古一戸建て住宅を購入する際は、費用の概算と内訳を設定しておきましょう。
中古住宅も新築住宅と同じように手続きがあり、建物の購入に加えて諸費用がかかります。主な諸費用は以下の6つです。
諸費用の種類 | 内容 |
印紙税 | ・契約書を作成したときに課税される |
仲介手数料 | ・仲介業者に支払う手数料 |
適合証明書(フラット35利用) | ・機構の決める基準に適していると証明する書類 |
登録免許税 | ・土地や建物の売買による所有権の移転登記に必要な国税 |
司法書士報酬 | ・登記手続きを行う司法書士への報酬 |
固定資産税等精算金 | ・引き渡し日以降の固定資産税は買主が負担する |
築10年の中古住宅を3,000万円で購入する場合の概算は以下になります。
⚫︎印紙税‥約3,5000円 ⚫︎仲介手数料‥約1,008,000円 ⚫︎適合証明書(フラット35利用)‥約50,000円 ⚫︎登録免許税‥約105,000円 ⚫︎司法書士報酬‥約100,000円 ⚫︎固定資産税等精算金‥約100,000円 |
概ねの金額ですが、諸費用を合計すると約140万円ほどかかる計算であり、ここに住宅購入費用が加わると考えると見過ごせない金額です。中古一戸建ての購入時には、諸費用の概算を含めた全体の費用が予算内におさまるかを確認しましょう。
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リフォーム・リノベーションの相談ができる不動産をチェック
リフォーム・リノベーションを考えている方は、物件探しの段階で不動産会社に相談しましょう。
中古一戸建ての住宅によっては「構造上、柱や壁を崩せない」「法律上の制限により増築できない」といった可能性があるのです。
また、リフォームとリノベーションは工事の範囲や内容が異なり、リノベーションはリフォームと比べて大規模な改修工事となるため高額な費用が発生します。
不動産会社を選ぶときは、リフォーム・リノベーションの実績が多く、専門的なアドバイスをもらえるような会社を探しましょう。
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内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
家づくりのご相談は”ロゴスホーム”へ
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ローンや優遇制度を踏まえた資金計画のご相談も承っております。マイホームに関する懸念点を少しずつ解決し、ご家族が快適に過ごす住まいを一緒に考えましょう。
予算を抑えつつ理想のマイホームを建てたいと考える方は、ぜひロゴスホームまでお気軽にご相談ください。
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まとめ
中古一戸建てはリーズナブルな価格が魅力的ですが、老朽化による修繕費や住宅ローン審査が不利になるといったデメリットを理解したうえで検討する必要があります。
また、中古一戸建ては新築一戸建てよりも劣化が早まるため、リフォームやリノベーションを含めた資金計画を立てなくてはなりません。
中古一戸建て住宅を購入する際の注意点として、ホームインスペクションや瑕疵担保責任を把握しておきましょう。
せっかくマイホームを購入するなら自分の好みで間取りや内装を決めたい、長く快適に暮らせるような耐久性も欲しいと考える方は注文住宅も検討してみましょう。
住まい選びは人生の中でも大きな選択です。長期的な視点で理想の暮らしを見つけましょう。