この記事の目次
注文住宅は、自分だけの理想の住まいを叶えられる点が大きな魅力です。
間取りや内外装、設備など、自由にカスタマイズできますが、自由度が高い分コストが高くなる傾向があります。
本記事では、注文住宅の特徴や種類、費用相場について解説します。
「注文住宅を建てたい」と検討されている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
注文住宅とは?
注文住宅とは、施主の希望やライフスタイルに合わせて設計・施工されるオーダーメイドの住宅です。
土地の選定から建物の間取り、設備に至るまで、細部にわたって自由にカスタマイズできます。
分譲住宅との違い
分譲住宅とは、土地とセットで販売される住宅のことです。
分譲住宅の「分譲」は「分割譲渡」を意味し、ディベロッパーや不動産会社などが所有するまとまった土地を分割し、区画整備をしたうえで、複数の住宅を建てて販売します。
分譲住宅の場合、間取りやデザイン、設備が決まっているため大幅な変更は原則できません。
注文住宅と比較するとカスタマイズ性は低いですが、コストが抑えられており、入居までにかかる期間も比較的早いという利点があります。
一方、注文住宅は土地探しや家の間取り、デザインなど、自由度が高い点がメリットです。
こだわりある住まいを手に入れられる反面、計画までに時間がかかったり、費用が高くなったり、入居までの期間が長くなったりするおそれがあります。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
注文住宅の3つの種類
注文住宅には、大きく分けて次の3つがあります。
1.フルオーダー住宅
2.セミオーダー住宅
3.規格住宅
それぞれの特徴を解説します。
①フルオーダー住宅
フルオーダー住宅は、注文住宅の中でもっとも自由度が高く、施主の希望に応じて細部に至るまで完全オーダーメイドで設計されます。
土地選びから始まり、間取りや外観、内装、設備などすべてを自由に選択できます。
自由度が高い分、コストと時間がかかりますが、自分だけの理想の住まいを実現できるでしょう。
②セミオーダー住宅
セミオーダー住宅は、基本プランをベースに一部をカスタマイズできる住宅です。
標準的な設計に変更を加えることで、オリジナリティを出しつつも、コストを抑え施工期間を短縮するなどのメリットが得られます。
③規格住宅
規格住宅は、設計や仕様などが決められた設計プランの中から選ぶタイプの住宅です。
変更の自由度は低いものの、品質が安定していて価格も明確です。
短期間での建築が可能なので、コストパフォーマンスを重視する方に最適です。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
注文住宅の相場
国土交通省が公表しているデータによると、住宅の購入における全国平均額は次のようになります。
購入資金の全国平均額 | ||
注文住宅 | 住宅建築資金と土地購入資金を合わせた購入資金の総額 | 5,811万円 |
注文住宅の建築資金(土地購入資金を除く) | 4,319万円 | |
分譲戸建住宅 | 4,290万円 |
分譲戸建住宅と比較すると、注文住宅の方が購入価格が高い傾向にあります。
分譲住宅は、設計や材料が標準化されており、複数棟をまとめて建築することでコストが抑える仕組みであるためです。
一方、注文住宅は施主の要望に合わせてカスタマイズする方式なので、使用する材料や設備によって価格が大幅に変動することがあります。
注文住宅はこだわりをもった家づくりができる点が魅力ですが、理想を追い求めるあまり費用が高くなり、予算オーバーになりがちです。
優先順位を明確にし、予算内で購入できるようメリハリをつけることが大切です。
注文住宅の予算のシミュレーション
注⽂住宅を建てる際にかかる費⽤は、主に次の4つが挙げられます。
注文住宅を建てるときに必要な費用 | |
⼟地購入費 | すでに⼟地がある場合は不要 |
本体⼯事費 | 建物本体を建てるための費⽤(「建築坪単価」はこれに該当する) |
付帯⼯事費 | 地盤調査や給排⽔⼯事、ガス⼯事、外構⼯事など、建物以外にかかる費⽤ |
諸費⽤ | 各種税⾦や住宅ローン⼿数料、⽕災保険料など、住宅購⼊の際に発⽣する事務的な費⽤ |
住宅の建築総費用のうち、本体工事費が約7割、付帯工事費が約2割、諸費用が約1割が目安です。
上記のほかに、別途⼯事費が必要となるケースもあります。
ここからは、国土交通省の「令和5年度住宅市場動向調査報告書」によるデータをもとに、土地の購入が必要な注文住宅の費用シミュレーションをご紹介します。
住宅購入の予算シミュレーション | ||
土地の購入資金 | (全国平均)1,929万円 | |
注文住宅(新築)の建築資金 | (全国平均)4,034万円 | |
建築工事費の内訳 | 本体工事(建築工事費の7割) | 2,823.8万円 |
付帯工事(建築工事費の2割) | 806.8万円 | |
諸経費(建築工事費の1割) | 403.4万円 |
住宅購入の際に、代金の一部を先払いする「頭金」は、住宅購入価格の2割ほどを準備しておくのが一般的といわれています。
国土交通省のデータによると、注文住宅の建築と土地の購入を合わせた自己資金(頭金)の全国平均は29.0%の1,685万円となっています。
注文住宅を検討する際は、頭金を含めて無理のない予算計画を立てましょう。
\合わせて読みたい!/
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
注文住宅を建てるときの流れ
注文住宅を建てることは、人生の一大イベントです。
夢の住まいを形にするための、一般的な流れを解説します。
1.情報収集
2.予算決定
3.土地決定
4.ハウスメーカーなどの依頼先の決定
5.プランニング・見積もり
6.契約
7.工事
8.竣工検査
9.引き渡し
10.入居
\合わせて読みたい!/
情報収集
「注文住宅を建てよう」と考え始めたら、まずは情報収集が重要です。
Webサイトや住宅展示場、住宅雑誌を活用して、デザインや機能、最新の住宅事情について知識を深めます。
最近ではSNSでの情報収集も一般的です。
自分たちの希望やライフスタイルに合った住宅のイメージを具体化していきましょう。
予算決定
マイホームの購入で切り離せないのが「お金」です。
自分の希望する住宅を建てるために、どれくらいの費用がかかるのかを把握しておきましょう。
無理なく返済していくために、住宅の建築費用だけでなく、土地の購入費用や各種税金、将来的なメンテナンス費用などを踏まえた予算計画が大切です。
土地決定
土地選びでは、予算はもちろん、立地条件や周辺環境、地盤の安全性などを考慮して検討する必要があります。
交通アクセスや地域の将来性も判断のポイントです。
理想の家が建てられる土地かどうか、ハウスメーカーや工務店などの専門家に相談しながら慎重に判断しましょう。
ハウスメーカーなどの依頼先の決定
ハウスメーカーや工務店など、信頼できる建築会社を選ぶことは、家づくりにおいて重要なステップです。
複数の会社から候補を絞り、実績や評判、設計力、価格、アフターフォローなどを比較・検討します。
「こんなデザインにしたい」といった具体的な理想がある場合は、その分野を得意とする建築会社を選びましょう。
プランニング・見積もり
依頼先が決まったら、次はプラン作成と見積もりです。
自分たちの要望をできるだけ詳細に伝え、間取りやデザイン、設備など理想の住まいを具体化していきます。
同時に、予算内で実現可能なプランかどうかの判断も重要です。
詳細な見積もりを提示してもらい、費用と内容のバランスをチェックしましょう。
契約
設計プランと見積もりに納得したら、建築会社と契約を結びます。
契約金額や設計内容、支払いスケジュール、工期などを十分に確認し、疑問や不明点がある場合は契約前に解消しておくことが大切です。
工事
契約後、いよいよ工事が始まります。
工事中は、担当者と連絡を取り合いながら、定期的に現地を訪れ進捗状況を確認しましょう。
現場での進捗を確認しておくことで、何か問題が生じた際にすぐに気付くことができ、対応を依頼できます。
竣工検査
工事が完了したら、建築会社の営業担当者と現場責任者とともに竣工検査を行います。
設計図通りに施工されているか、設備が正常に機能するか、不具合がないかなど徹底的にチェックしましょう。
引き渡し
竣工検査で問題がなければ、建築会社から住宅が引き渡されます。
鍵や保証書、各種設備の説明書などを受け取り、新しい生活の準備を始めましょう。
入居
引き渡しが完了すると、いよいよ新しい住まいでの生活がスタートします。
新居での生活がスムーズに始められるよう、設備の使い方やメンテナンス方法について事前に確認しておくと安心です。
また、建築会社のアフターサービスの連絡先を控えておき、必要時にすぐに対応できるように準備しておきましょう。
\合わせて読みたい!/
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
注文住宅のメリット
注文住宅にはさまざまなメリットがありますが、ここでは次の2つをご紹介します。
・自由にこだわれる
・家が建つまでの様子を見ることができる
自由にこだわれる
注文住宅の最大のメリットは「自由度の高さ」です。
間取りや内装、設備に至るまで、施主の希望を反映させて設計できるため、ライフスタイルや趣味に合わせた住まいを実現できます。
収納スペースや動線計画はもちろん、将来的な家族構成の変化にも柔軟に対応できるので、長く快適に暮らせる住まいづくりが可能です。
家が建つまでの様子を見ることができる
注文住宅の場合、設計段階から完成まで、家づくりのプロセスを直接確認できます。
工事の進捗状況を随時チェックでき、気になる点があればその場で修正を依頼することも可能です。
構造部分や断熱材の施工状況なども確認できるため、すでに建築されている住宅を購入する「建売住宅」や「分譲住宅」にはない安心感が得られます。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
注文住宅のデメリット
注文住宅には、メリットだけでなくデメリットも存在します。
慎重な検討と準備が求められる部分でもありますので、以下の点を理解しておきましょう。
・購入時点で実物を見ることはできない
・費用が高くなる可能性がある
・打ち合わせが多い
・入居までに時間がかかる
購入時点で実物を見ることはできない
完成された状態を確認できる「建売住宅」とは違い、注文住宅は実物を見て購入することができません。
完成後に「イメージと違った」という部分が出てくるおそれがあるため、設計に対する想像力や信頼感が求められます。
完成予想のパースやモデルハウスをもとに、できるだけ具体的なイメージを持つことが重要です。
費用が高くなる可能性がある
自由度が高い注文住宅は、仕様や材料の選択次第で費用が増加するリスクがあります。
特にフルオーダーの場合、こだわりの設備や素材を採用すると、予算オーバーになりがちです。
加えて、土地の状態によっては地盤改良が必要になるなど、想定外の費用が発生することもあります。
打ち合わせが多い
理想の住まいを実現するためには、営業担当者や設計士と意見や情報を丁寧にすり合わせることが大切です。
そのため、設計や仕様の決定に関する打ち合わせを、何度も重ねる必要があります。
家づくりでは間取りや設備、壁紙などの素材選びなど、決めなければならないことが多く、時間と労力を要します。
仕事や育児で忙しい方や、遠方に住まわれている方にとっては、負担になることもあるでしょう。
入居までに時間がかかる
注文住宅では、土地探しから始まり、無事に引き渡されるまで、通常1年以上かかります。
分譲住宅に比べて建築期間も長くなる傾向なので、余裕をもったスケジューリングが大切です。
「子供の入学に合わせて入居したい」という希望がある場合は、早めに行動を開始しましょう。
\合わせて読みたい!/
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
注文住宅と分譲住宅(建売住宅)ではどちらが安い?
一般的に、分譲住宅(建売住宅)は、注文住宅よりもコストが抑えられるケースが多いです。
分譲住宅の費用は、令和5年度時点の全国平均で4,290万円となっており、土地の購入費用を除いた注文住宅の建築費用よりも29万円安くなっています。
土地代込みの注文住宅の費用と比較すると、約1,500万円もの差があります。
購入資金の全国平均額 | ||
注文住宅 | 住宅建築資金と土地購入資金を合わせた購入資金の総額 | 5,811万円 |
注文住宅の建築資金(土地購入資金を除く) | 4,319万円 | |
分譲戸建住宅 | 4,290万円 |
分譲住宅でも、人気エリアや駅近では高額になることがあり、注文住宅でも建材や仕様をシンプルにすることで費用を抑えられます。
ただし、最終的な費用は立地条件やグレード、カスタマイズの度合いによって大きく変動するため、一概にどちらが安いとは言い切れません。
注文住宅でも分譲住宅でも、予算に合った計画が大切です。
\合わせて読みたい!/
失敗したくない方へ



知りたかったたった
1つのこと

手に入れる方法
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
まとめ
注文住宅は、自由度の高い家づくりが叶う一方、費用の高さや打ち合わせの負担など、考慮すべきポイントがあります。
分譲住宅よりも費用がかかるケースが多いですが、間取りやデザイン、設備など、細部までこだわりたい方にとっては魅力的な選択といえるでしょう。
注文住宅には「フルオーダー」以外にも「セミオーダー住宅」や「規格住宅」といった種類があります。
それぞれのメリット・デメリット、費用相場を理解したうえで、自分たちに最適な選択をしていきましょう。