分譲マンションを購入する場合、物件選びや住宅ローンの手続きなど、さまざまな手順を踏みながら進めていくため、住み始めるまでに数ヶ月から1年以上の時間がかかります。
実際に分譲マンションを検討してみると「何から始めればいいのかわからない」と悩む方も少なくありません。
そこで、この記事では分譲マンション購入の流れや、分譲マンション購入のメリット・デメリット、分譲マンション購入で失敗しないポイントを解説します。
分譲マンション購入の流れ
分譲マンションを購入するときには、あらかじめ全体の流れを把握したうえで、必要な書類の準備やスケジュールを立てるとスムーズです。
分譲マンション購入のステップは以下のとおりです。
①予算を決める
②物件を調べる
③モデルハウスの見学
④ローン仮審査申請
⑤購入の申し込み
⑥契約時の重要事項確認
⑦住宅ローンの審査
⑧入居案内説明会
⑨最終支払い・物件引き渡し
各ステップの内容をみていきましょう。
1.予算を決める
分譲マンションの情報を集める前に、予算を決めて資金計画を立てる必要があります。
予算を決めないと自己資金と借入可能額のバランスが把握できないので、資金計画を立てられず、マンションを購入できなくなる可能性もあります。
予算から資金計画を立てる
分譲マンションの予算は、年収や各種税金、将来のライフスタイルの変化などを考慮して算出します。
各種税金とは、「管理費」「修繕積立費」「固定資産税」を指し、これらの費用を引いたうえで生活にかかる費用を除いて資金計画を立てます。
住宅ローンを借り入れたあとは20年〜30年ほど長期間にわたって返済するため、返済が滞ることがないように自己資金と借入額のバランスを決めて資金計画を立てましょう。
2.物件を調べる
決めた予算内で希望に合う物件を探します。
最近の不動産情報サイトは、スマートフォンで簡単に物件の住所・間取り・予算などの情報を調べられますが、現在の居住地から近い場所で探している方はポスト投函のチラシを収集するのも一案です。
物件情報収集の際に重要なポイント
物件選びで最も重要なのが「地域」です。
建物内部の経年劣化については、リノベーション工事やリフォーム工事で修復できますが、地域は転居をしない限り変更できず、環境によっては不便さを感じるかもしれません。
たとえば、通勤を重視したい方は交通機関の本数や時間の確認、子育て環境の良いマンションを探している方は近くに学校や公園、病院などがあるかどうかを確認するといいでしょう。
3.モデルハウスの見学
新築分譲マンションは、モデルルームを見学できます。
モデルルームを見学する際の手順は以下のとおりです。
①ホームページの予約ボタンまたは電話で予約
②受付時に名前や住所を記入
③物件情報や周辺施設について説明・質問
④間取りと価格について説明・質問
⑤マンション全体像を模型で確認
⑥設備や構造を確認
⑦希望する部屋のタイプや諸費用を相談
モデルルーム見学時に確認するべきポイント
モデルルームを見学するときは、住んでからのイメージをするのがポイントです。扉や収納を開けたり、ソファーに座ったりして部屋で過ごす自分をイメージしてみましょう。
モデルルーム見学後はマンションが建つ場所の周辺を散策し、駅やスーパー、学校などの位置を把握すると入居後の生活が想像しやすくなります。車で周辺を走行して、道路の混雑状況や人通りを知るのもいいでしょう。
4.ローン仮審査申請
購入したいマンションが見つかったら、住宅ローンの仮審査(事前審査)を申し込みます。
住宅ローンの仮審査とは、本審査の前段階で実施される簡易的な審査を指します。住宅ローンの借り入れができるかどうかの「見込み」を確認するのが目的です。
金融機関の審査内容は「収入情報(職業、年収など)」「信用情報(他の借り入れ情報)」「資産情報(預貯金)」「返済負担率(返済比率)」などから返済能力について判断されます。
ローン仮審査のポイント
住宅ローンの仮審査は、申し込み内容が事実と異なると本審査が通らない可能性もあるため、申し込み時は事実を正確に申告しましょう。
車のローンや教育ローンなど、他のローンが残っていると審査が通りにくくなります。
5.購入の申し込み
購入を希望するマンションが決まったら、売主や販売代理の不動産会社に購入の意思表示をするために「購入申込書」を記入して提出します。
購入申し込みの際に、申込証拠金として2万〜10万円ほど支払う場合があり、申込証拠金は契約時にマンション購入費用に充当されるのが一般的です。売買契約までにキャンセルすると、申込証拠金は返還されます。
購入申し込みをするときのポイント
申込証拠金は「キャンセルしたのに返還されない」「事務手数料として一定金額が差し引かれて返還された」などトラブルが発生することがあります。
申込証拠金の支払い時に売主から金額や日付が記載された預り証となる書類を受け取り、返還が完了するまで大切に保管しておきましょう。
6.契約前の重要事項確認
購入の意思が定まってからは、宅地建物取引士による重要事項説明を受け、売主と買主で売買契約を締結します。
重要事項説明とは、契約時に物件の状態や取引条件などの重要事項を説明することを指し、宅地建物取引士が説明を行い、その内容を記載した書面を重要事項説明書と言います。
売買契約の際に、買主が売主に対して手付金を支払うのが一般的です。
手付金は契約の成立を前提とした受け渡しであり、本来は売買代金の受け渡しのときに返還されますが、契約後に買主が一方的にキャンセルすると手付金は戻ってきません。
重要事項確認のポイント
重要事項説明には、入居後に発覚した建物の欠陥に対する保証内容や近隣の建築計画など、入居後に知っておくべき情報が説明されます。
法律的、建築的な経験がないと理解しづらい内容も多いですが、入居後のトラブルを防げる情報も記載されているので、宅地建物取引士の説明に不明点があれば積極的に質問しましょう。
7.住宅ローンの審査
マンションの売買契約を締結したあとは、住宅ローン本審査を申し込みます。
住宅ローン本審査期間は、1週間〜2週間程度です。ただし、金融機関の繁忙期や追加書類が求められる場合は審査期間が長くなるかもしれません。
住宅ローン本審査のポイント
住宅ローンの本審査では、本人確認書類や住民票などのさまざまな種類の書類が必要です。
本審査で提出する書類は、種類ごとに取得する場所が異なり収集に時間や手間がかかるため、事前に確認して計画的に準備しましょう。
8.入居案内説明会
新築マンションでは、完成後の入居前に内覧会が実施されます。内覧会ではマンションの中を実際にみて確認が可能です。
内覧会の前に入居案内説明会が行われて、引越し予定日の調整や手続き、管理についての案内を受けます。
入居案内説明会のポイント
新築マンション購入後、入居予定日の2〜3ヶ月前になると入居案内説明会に参加するのが一般的です。
入居案内説明会の内容には以下のようなものがあります。
⚫︎入居までのスケジュール説明
⚫︎マンション入居後の管理についての説明
⚫︎大型家具やカーテンなど、オプションについての説明
⚫︎駐輪場や駐車場の抽選・決定
内覧会は入居前に売主に直接相談できる貴重な時間です。施工ミス・不具合がないか入念にチェックしたり、住宅設備の使用方法の説明でわからないところを質問したりして解決しましょう。
内覧会のときに部屋と窓のサイズを確認しておくと、家具や照明、カーテンの購入がスムーズです。
9.最終支払い・物件引渡し
マンション購入金額から手付金などを差し引いた残りの金額を支払う手続きをします。
住宅ローンを融資する銀行への「事務手数料」や、物件情報の登記手続きにかかる「不動産登記費用」の支払いもこのタイミングです。
住宅ローンの契約は金融機関の店舗で実施され、売主と買主、司法書士などの関係者が集まって融資の実行と残金の決済をします。その後、司法書士が法務局にて不動産登記を行います。
マンションの最終決済を終えて鍵を受け取ったあとは、内覧会で決めた入居スケジュールに合わせて引越し、物件引渡しが完了となります。
最終支払い・物件引渡しのポイント
住宅ローンの返済額に影響する金利は、融資の実行とともに決まります。
金利が0.1%異なるだけで返済額に大きな差が生じます。住宅ローンの金利はひと月ごとに見直されることもあり、購入前のシミュレーションよりも高くなってしまうケースもあると知っておきましょう。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
新築分譲マンションのメリットは?
新築物件を探し始めると「戸建て住宅」か「マンション」か「中古」を探すかがスタートになる方も多いです。どの物件にもメリットがありますが、ここでは新築分譲マンションのメリットを紹介します。
新築分譲マンションは、以下のようなメリットが挙げられます。
・新築分譲マンションなら設備とグレードが充実
・セキュリティと生活環境の安心感
・ママ・パパ友や、子どもの友達を作りやすい
・将来資産としやすい
・ローンの支払いが終われば維持費のみかかる
それぞれ解説していきます。
新築マンションなら設備とグレードが充実
新築分譲マンションは「長く住むこと」を目的としており、賃貸マンションや賃貸アパート、中古マンションと比較すると、新築分譲マンションは住宅設備と内装材のグレードが高い傾向があります。
新築分譲マンションには以下のような設備が初めから備わっている場合が多いです。
⚫︎広めのバルコニー
⚫︎ファミリークローゼット
⚫︎食洗機
⚫︎浴室乾燥機
⚫︎床暖房
⚫︎24時間ゴミ出し可能なゴミ置き場
毎日の家事で使う設備は少しでも負担が軽減される方が満足度が高いでしょう。分譲マンションによっては、ロビーやゲストルーム、ラウンジ、ジムなどが設置され、より快適に過ごせるような環境が整っています。
セキュリティと生活環境の安心感
マンションのエントランスはオートロックで守られており、玄関を施錠すれば外部からの侵入者を防げるつくりになっています。
玄関が道路と面している戸建て住宅と比べると、マンションは窓や玄関からの侵入を気にせずに過ごせて安心度が高いでしょう。
ママ・パパ友や、子どもの友だちを作りやすい
お子様の進学など、子どもの成長がきっかけでマイホームを購入する人も多いのではないでしょうか。
国土交通省の「令和5年度住宅市場動向調査」によると、分譲マンションを取得した世帯主の年齢層は30代が最も多く42.7%、平均年齢は43.0歳となっています。分譲マンションは30代から40代を中心に人気があるようです。
新築分譲マンションは一斉に入居するため近い世代が多く、同じ年頃の子どもがいるファミリー層も多いでしょう。マンション内で子ども同士の交流があると親同士のコミュニケーションが増えてママ友・パパ友の関係になる方もいます。
引用:国土交通省の「令和5年度住宅市場動向調査」PDF175ページより
将来資産としやすい
分譲マンションは一戸ずつ販売されるため、購入した住戸を資産として保有できます。
賃貸マンションで毎月家賃を支払うなら、分譲マンションを購入して資産にしたいと考える方も少なくありません。賃貸の家賃と同じくらいの返済額に設定すると、無理なく返済できるでしょう。
また、団体信用生命保険に加入していると、万が一ローン契約者が事故や病気に遭っても、家族にローンを残さずに住居を資産として残せます。
団体信用生命保険とは、住宅ローンの返済中にローン契約者の死亡または身体に重い障害を負った状態になったとき、住宅ローンの残債を肩代わりしてくれる制度です。
分譲マンションのローン完済後は、売却や賃貸として収益化もできます。将来の資産価値を重視するのであれば、駅から近い場所など土地価格が下がりにくいエリアを選ぶといいでしょう。
ローンの支払いが終われば維持費のみかかる
賃貸住宅は住む期間支払い続ける必要がありますが、購入したマンションはローン完済後は「管理費」「修繕積立費」「固定資産税」といった維持費のみで住み続けられます。
定年退職の前に完済できれば、老後の経済的な負担も軽減できるでしょう。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
新築分譲マンションのデメリットは?
新築分譲マンションはメリットが多いですが、住む人の状況や価値観によってはデメリットとなるかもしれません。
新築分譲マンションは、以下のようなデメリットが挙げられます。
・固定費と管理費の負担が増える
・引っ越しを気軽にできない
それぞれ解説していきます。
固定費と管理費の負担が増える
賃貸では家賃・管理費・火災保険料のみの支払いでしたが、マンションを所有すると「固定資産税」「都市計画税」「修繕積立費」が毎月かかります。
国土交通省の「令和5年度マンション総合調査結果(概要編)」によると、管理費の総額の平均は17,103円、修繕積立金の総額の平均は13,378円でした。住宅ローンの支払いに加えて、毎月平均30,481円の管理費と修繕積立金の支払いが発生する可能性もあります。
しかし、分譲マンションは建物や共有部分を個人で管理をする必要がなく、手間をかけずに長く住み続けられるのが利点です。共働きの方やご高齢の方にも向いているでしょう。
引用:国土交通省の「令和5年度マンション総合調査結果(概要編)」PDF4〜5ページ「月/戸あたり管理費」「月/戸あたり修繕積立費」より
引っ越しを気軽にできない
新築分譲マンションは物件の所有者として継続して住み続けることを目的としており、購入してから長期間住まいを変えないのが一般的です。転居するには住宅ローンを完済しなくてはなりません。
一方で、賃貸マンションは分譲マンションに比べて短期間で転居する方が多く、引っ越しの1ヶ月前に申請すれば退去可能です。
新築分譲マンションは身軽に引っ越しをするのは難しいですが、そのぶん長く住み続けやすいように工夫されており、設備や生活環境が充実しています。快適な居住環境で長く住み続けたい方に向いているでしょう。
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マンション購入で失敗しないコツは?
新築分譲マンションの購入に失敗しないためのコツを紹介します。
【1.物件探しは現地確認する】
物件探しではホームページやチラシ、モデルルームだけでなく、実際の現地確認をおすすめします。現地確認の主なポイントは以下の4つです。
⚫︎駅からマンションまでの道や夜道の明るさ
⚫︎スーパーやコンビニ、ドラッグストア、病院など周辺施設との距離
⚫︎道路の交通量やパチンコ店などから発生する騒音の有無
⚫︎治安など
また、土日の昼間だけでなく、平日や夜間に訪れてチェックすると、購入後の暮らしをイメージしやすくなります。
子育て中の方や、これから子どもを考えている方は、以下のポイントも意識して確認しましょう。
⚫︎子どもが遊べる公園の有無
⚫︎小児科や耳鼻科など医療機関との距離
⚫︎幼稚園や保育園、小学校など教育機関との距離
【2.モデルルームで標準仕様とオプション仕様を見極める】
モデルルームの壁紙やシステムキッチンの一部はオプションの追加料金がかかるタイプが多いです。オプションだからと付けてしまうと、予算内に収まらないかもしれません。モデルルーム見学時には、気に入ったデザインがオプションかどうか、費用はいくらぐらいなのか細かく確認しておくといいでしょう。
契約時の要注意ポイント
マンション売買契約の締結時に支払った手付金は「買主の都合で契約キャンセル」すると戻ってこないのが基本です。
手付金の金額は購入価格の5%〜10%と言われています。
たとえば4,000万円の物件を購入し、買主都合で契約キャンセルをすると、200万円〜400万円の手付金が戻らなくなるのです。
契約によっては違約金が発生する場合があるため、マンション売買契約は「キャンセルができない」を前提に締結しましょう。
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分譲マンションはセキュリティの安心感や資産価値の下がりにくさがメリットですが、考慮するべきデメリットが多いのも事実です。
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まとめ
新築分譲マンションを検討・購入するには、ご紹介したようなさまざまなステップを踏む必要があります。手続き内容や注意するポイントなどを理解したうえで、ひとつずつ進めていきましょう。
新築分譲マンションはグレードの高い住宅設備が整っており、共用部分で充実したサービスを受けられるといったメリットがあります。
しかし、月々の管理費や修繕積立費などの支払いが発生するなどのデメリットもあり、分譲マンションを購入するには早い時期からの資金計画が大切です。
せっかくマイホームを購入するなら自由に間取りや内装を決めたいと考える方は注文住宅も検討してみましょう。
住まい選びは人生の中でも大きな選択です。長期的な視点で、生活スタイルにピッタリの暮らしを見つけましょう。