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自分で住むための家として、一戸建てではなくマンションを購入すると「固定資産税がかからない」という噂を耳にしたことはありませんか?
実際のところ、マンションにも固定資産税はかかりますが、特定の条件下では免除や軽減される可能性があります。
今回は、マンションの固定資産税について詳しく解説します。
固定資産税が免除される条件や、税額相場の考え方、価格帯別の計算シミュレーションなど、固定資産税についての疑問にお応えしています。
マイホーム取得の際の資金計画にご活用ください。
マンションは固定資産税がかからない?
固定資産税が高い一戸建て住宅に対し、マンションは所有しても固定資産税がかからないのではと考えている方もいるようです。
結論として、マンションでも固定資産税はかかります。
ただし、一部の条件下では固定資産税が免除されたり、軽減されたりする場合があります。
以下では、固定資産税が免除される可能性のある状況について詳しく説明します。
借地権付の土地は固定資産税がかからない
借地権付マンションの場合、土地の固定資産税は免除されます。
借地権付とは、マンションの建物部分のみを所有し、土地部分は地主から借りている(借地権)契約形態のこと。
マンションの所有者が土地を所有していないため、土地分の固定資産税は所有者に請求されません。マンション所有者は、建物部分の固定資産税のみを負担します。
ただし、借地権付マンションでも地代を支払っているので、総合的な費用負担は通常のマンションと大きく変わりません。
課税標準額が免税点に満たない建物は固定資産税がかからない
固定資産税には免税点が設定されており、課税標準額がこの免税点を下回る場合、固定資産税は課税されません。
土地の課税標準額が30万円未満、建物の課税標準額が20万円未満であれば、固定資産税は課税されません。
ただし、一般的に課税標準額が免税点を下回るケースは稀です。
築年数が経過し、建物の評価額が大幅に下がった場合でも、完全に免税点を下回ることは難しいでしょう。
カーポートは固定資産税がかからない?
一戸建ての所有でも、固定資産税の対象にならない建設物があります。「カーポート」です。
ただし、同じ駐車スペースでも「ガレージ」は固定資産税の対象になります。
「カーポート」と「ガレージ」の違いは、その構造です。
カーポートとは、4面に壁がない、屋根のみの簡易な構造の駐車スペースを指します。
この場合、カーポートは建築基準法上の建築物に該当しないと判断され、固定資産税はかかりません。
一方、ガレージは通常、四方に壁があり、ドアや窓が設置された構造の駐車スペースを指します。その場合は、固定資産税の対象となります。
なお、カーポートでも基礎や壁のある構造であったり、建物の一部になっていたりする場合は、固定資産税の対象となる可能性があります。具体的なケースについては、各自治体の税務課に確認しましょう。
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マンションの固定資産税の相場
新築マンションの場合、年間10万円から30万円程度、中古マンションでは10万円から20万円程度が目安となります。
実際の税額は物件の所在地や面積・価格・築年数などによって異なります。条件によって軽減措置の対象となったり、資産評価が変動するためです。
なお、マンションの固定資産税は、同じ価格の戸建て住宅を購入した場合よりも高くなる傾向があります。
主な理由は、土地と建物の価値の比率や、耐用年数が違うためです。
マンションは一戸建てと比べて、購入価格に占める建物の割合が高くなります。土地部分には固定資産税の軽減措置があるため、土地の割合が大きい一戸建ての方が軽減措置の恩恵を受けやすくなります。
また、マンションの方が耐用年数が長いため、経年による固定資産税の減少が遅くなります。
固定資産税の額でマンションか戸建てかを選択する必要はありませんが、マンションの購入を検討するなら、維持費計算として、事前にどれくらいの税金が必要なのかを計算してみると良いでしょう。
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マンションの固定資産税の計算方法
つづいて、固定資産税の計算方法について解説します。
マンションの固定資産税は、土地と建物それぞれについて計算し、その合計額が課税されます。
基本的な計算式は以下の通りです。
〈マンションの固定資産税の計算方法〉
[土地部分の固定資産税評価額 × 1.4%]+ [建物部分の固定資産税評価額 × 1.4%]=マンションの固定資産税額 |
固定資産税評価額は、マンションの購入額ではなく、自治体ごとの基準により建物や土地の価値を評価した値です。固定資産評価証明書などで確認できます。
また、1.4%は標準税率です。異なる税率を設定している場合もあるので、自治体の税務担当部署にてご確認ください。
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マンションの固定資産税軽減措置とは
マンションの固定資産税には、いくつかの軽減措置が設けられています。そのため実際の課税額は、前述の計算方法に軽減措置を考慮されたものです。
土地と建物それぞれの主な軽減措置は以下の通りです。
土地の計算
マンションの土地部分に対する固定資産税は、住宅用地の特例により軽減されます。
〈住宅用地の軽減措置〉
200㎡以下の部分(小規模住宅用地) | 固定資産税評価額の1/6 |
200㎡を超える部分(一般住宅用地) | 固定資産税評価額の1/3 |
この特例は居住用のマンションに適用されるため、事業用や賃貸用のマンションでは計算できません。
なお、マンションの住宅用地については、専有部分の床面積に加えて、共用面積の割合分も加算されます。
建物の計算
マンションの建物部分に対する固定資産税は、新築住宅の軽減措置により減額されます。
新築マンションを購入した場合、条件を満たせば以下の軽減措置が適応されます。
〈新築住宅の軽減措置〉
長期優良住宅認定 | 期間 | 軽減税率 |
なし | 新築後5年間 | 固定資産税評価額の1/2 |
あり | 新築後7年間 | 固定資産税評価額の1/2 |
なお、措置の対象となるのは居住部分の床面積が50㎡以上280㎡以下のマンション、減額対象は床面積120㎡までの部分です。
マンションの価格別の固定資産税相場
マンションの固定資産税は、価格帯によって大きく変わります。
ここでは、3,000万円台、4,000万円台、5,000万円台のマンションについて、固定資産税の相場を見ていきましょう。
ただし、これらの数値はあくまで目安であり、実際の税額は物件の所在地や築年数、専有面積などによって異なる点に注意してください。
3,000万円台の場合
3,000万円台のマンションの固定資産税は、年間約10万円から15万円程度が目安となります。
例えば、以下の条件のマンションを例にシミュレーションをしてみましょう。
物件価格 | 3,000万円 |
建物部分 | 2,100万円 |
土地部分 | 900万円 |
専有面積 | 50㎡ |
築年数 | 1年 |
長期優良住宅認定 | あり |
まず、固定資産税評価額を計算します。
今回は、公示価格に対する固定資産税評価額の目安割合から、それぞれ70%を固定資産税評価額と仮定します。
〈3,000万円台マンションの固定資産税シミュレーション〉
計算式 | 税額 | |
建物 | 2,100万円 × 7/10 × 1/2(新築住宅の軽減措置)×1.4% | 10万2,900円 |
土地 | 900万円 × 7/10 × 1/6(住宅用地の軽減措置)×1.4% | 1万4,700円 |
合計 | 10万2,900円+1万4,700円 | 11万7,600円 |
4,000万円台の場合
4,000万円台のマンションの固定資産税は、年間約13万円から18万円程度が目安となります。
例えば、以下の条件のマンションを例にシミュレーションをしてみましょう。
物件価格 | 4,000万円 |
建物部分 | 2,500万円 |
土地部分 | 1,500万円 |
専有面積 | 70㎡ |
築年数 | 1年 |
長期優良住宅認定 | あり |
先ほどと同様、それぞれ70%を固定資産税評価額と仮定し計算します。
〈4,000万円台マンションの固定資産税シミュレーション〉
計算式 | 税額 | |
建物 | 2,500万円 × 7/10 × 1/2(新築住宅の軽減措置)×1.4% | 12万2,500円 |
土地 | 1,500万円 × 7/10 × 1/6(住宅用地の軽減措置)×1.4% | 2万4,500円 |
合計 | 10万2,900円+1万4,700円 | 14万7,000円 |
5,000万円台の場合
5,000万円台のマンションの固定資産税は、年間約16万円から22万円程度が目安となります。
例えば、以下の条件のマンションを例にシミュレーションをしてみましょう。
物件価格 | 5,000万円 |
建物部分 | 3,200万円 |
土地部分 | 1,800万円 |
専有面積 | 100㎡ |
築年数 | 1年 |
長期優良住宅認定 | あり |
先ほどと同様、それぞれ70%を固定資産税評価額と仮定し計算します。
〈5,000万円台マンションの固定資産税シミュレーション〉
計算式 | 税額 | |
建物 | 3,200万円 × 7/10 × 1/2(新築住宅の軽減措置)×1.4% | 15万6,500円 |
土地 | 1,800万円 × 7/10 × 1/6(住宅用地の軽減措置)×1.4% | 2万9,400円 |
合計 | 10万2,900円+1万4,700円 | 18万5,900円 |
実際の物件ごとの計算では、固定資産税評価額を調べられるよう、自治体の税理担当へのご相談をおすすめします。
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まとめ
マンションに固定資産税がかからないケースは非常に稀なケースです。
ほとんどの場合は、マンションも一戸建ても、固定資産税を支払う必要があります。
ただし、条件によって免除されたり、土地部分や建物部分にそれぞれ軽減措置が適用されていたり、税負担が抑えられることはあります。
また、固定資産税の相場は、マンションの価格帯や築年数、専有面積などによって変動します。物件ごとの固定資産税計算は自治体などでご確認ください。
マンション購入も一戸建ても、マイホームを検討する際は、初期費用だけでなく継続的な費用も考慮しましょう。
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